壇蜜を射止めた漫画家「清野とおる」の快活人生

大学生でデビュー、どん底乗り越えて見た境地

漫画は描いてみたが、なかなか掲載させてもらえる媒体は見つからなかった。その当時は清野さんの知名度はまだまだ低かった。無名の作家のエッセイを載せようと思う出版社は少ない。

そんな折、携帯サイト『ケータイまんが王国』で連載することが決まった。今では携帯電話やタブレットで漫画を読むのは当たり前になっているが、当時はまだ一般的ではなかった。漫画が電子媒体へ移行する黎明期に作られたサイトだ。

「失礼ながら、その会社にはプロの編集者がいなかったんですよね。

『やっちゃえばいいんじゃないですか? 怒られたら一緒に謝りましょう』

って軽く言われました。でも、その時はそれがむしろ吉と出ました」

攻めたスタイルの連載で『東京都北区赤羽』がヒット!

『東京都北区赤羽』は毎回全ページフルカラーで描き、実際の写真も満載するという攻めたスタイルの連載だった。

「ちから」のマスター、ペイティさん、ワニダさん……など力強いキャラクターが次々に現れる強烈な内容だ。

連載は人気になり、単行本としてまとめられた。

「それまで増刷というのは都市伝説だと思っていました。でも次から次に増刷が決まり、『こんなにも刷ってもらえるんだ!!』と驚きました。累計20万部を超えて、初めて“売れる”ということを体験しました」

連載が始まった頃は、生活のために隣町のお弁当屋さんでアルバイトをしていたが、人気が出てからはもちろんアルバイトをする必要はなくなった。

ただ、それでも悩みがなくなったわけではなかった。

「今度は、赤羽の漫画を描き続けるというのが想像以上につらくなってきました。

創作漫画を描いていた時は、とにかくネタを考えるのが苦しかったんです。慢性的にネタが足りなかった。

でも『赤羽』は逆でした。次から次にとんでもないネタが降ってくるんです。

『どのネタをどう描こう?』

『ちゃんと作品に昇華できるのか?』

などと考えているうちに、ネタに押しつぶされそうになりました。描きたいことはあるのに、自分の力が追いつかなくて描けない……という苦しみもありました」

次ページ他媒体からも声がかかるようになったが…
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