親が考える以上に、子供は頑張っている

子供はいつか、親なしで生きていくもの

子供を信じて放っておく路線しかありません

娘さんのことは「信じて放っておく路線」しかないのではないでしょうか。「信じて見守る」でもよいのですが、年金生活をしながら、しかも私のように心配性のあなたのことですから、「見守る役目も卒業した」と考えるほうがいいと思います。

娘さんは塾の講師も経験され、今はバンコクで貯蓄を切り崩して生活しておられるのですね。これはすごいことなのですよ。まず海外へ出て行く勇気。違った文化圏で外国語で生活する能力。切り崩し生活ができる(わずかとはいえ)貯蓄がある等々。

ヒットはしていないようですがネット販売で努力して仕事をし、切り崩し生活だけではないのですね。パラサイトシングルを抱えて困っている親御さんからみれば、何が問題ですかといわれそうな条件です。塾講師経験者ですから、知的な貯えも期待できます。

娘さんはとても聡明な方ではないかと想像します。放射能汚染に対する感覚も決して異常ではありません。そうしたくとも仕事や子供の教育ほか、さまざまなしがらみで避難できない人が多かっただけです。

事実、事故後即、子供を連れて沖縄方面に避難し、そこで定住された歌人もいました。放射能に敏感であることは、責められることではありません。むしろ国民をパニック状態にできないという判断が働いたとはいえ、柔らかい表現で事実をごまかした「大本営発表」に、怒りを覚えない人のほうが普通ではありません。

親の価値観が時代遅れのことも多い

私たちの年代の多くは、自分の知らない世界に対する漠然とした拒否感のようなものがあると思いませんか。将来のビジョンがあるとは思えないとのことですが、それは私たちが知っている世界を超えて生きようとする人を、理解しようとしない人の言い分である場合が、往々にしてあります。

友人の娘さんが僻地に住む人と結婚して、そこに住むと決まったとき、友人はとても心配し、嘆きました。「何もこんなに住みやすい地元を離れて、わざわざそんなところに住むこともあるまいに」。

そのうちに、その地元では売っていないどころか、見たこともないジューシーな柑橘類やおいしいメロン、新鮮な魚・野菜がふんだんに宅配され、その僻地を訪問してみると、朝市がにぎわい、地域の絆があり、友人は「出身の地元がいちばん」主義を早々に捨てたのでした。

別の友人の、怪しい片言英語しかできない一人息子は、オーストラリアへ行ったり来たり。日本が合わないようでした。現地でいろいろなアルバイトにありついたときは喜々として働きますが、その日暮らしに変わりありません。

友人はさばけた性格で、「心配してもしようがない。あの子にはあの子の人生があるだろうから、見ないようにしている」と突き放していましたが、そこは母子です。ときどき憎くて仕方がないなどと、愚痴っていました。

4~5年も続いたでしょうか。今ではアルバイト先から認められて、貿易業で独立し、事業はとても順調なようです。友人はその息子の招待で温泉にレストランにと、親孝行を受けるのに忙しそうです。

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