(第25回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十ニ話『就活準備』

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 次に位置するのが「実践期」だ。年末から2月ごろまでの時期だが、OB・OG訪問、会社説明会・合同企業セミナーへの参加などが含まれている。ここでは就職情報サイトからの情報ばかりではなく、OB・OGや社会人に直接会うことで業界・企業研究を行い、自分が働きたいところを探していく必要がある。いわば、リアルな情報に注目してほしいということだ。たとえば年内に行われる合同企業セミナー、企業単独主催の説明会などに自ら進んで参加することを勧めたい。これらの早期イベントは、若手社員がたくさん参加していたり、人事採用担当者もフランクに話してくれたりと「本音」や「肉声」が聞きやすくなる。就職情報サイトは基本的に企業広告を集めたものだ。その意味では“イメージ戦略”が企業側の狙いといってもよいだろう。そこで、広く浅く客観的な視点で初期の情報収集を行い、合同企業セミナー・説明会などでは興味のある企業にあたって、仕事内容や仕事のやりがいや社風などを重点的に質問していくことが重要だ。
 「百聞は一見に如かず」という。何事も自分の目で確かめてみることが大切なのだ。

 そして、いよいよ「本番期」だ。4年の3月から4、5月ぐらいの時期となる。エントリーシートを提出し、筆記試験や面接試験を受けて、内定を獲得していく期間となる。まさに就職活動の仕上げの時期といってよいだろう。

 ここまで記してきて、気づいたことがあるだろう。この3つの時期は重なっていたり、前後したりすることが往々にしてある。前述した「就職活動は行きつ戻りつ」というのは、まさにこのことを指す。とりわけ自己分析や業界・企業研究は、就職活動を終えるまで、何度も繰り返し継続して行っていくことになる。

まずは「自問自答」を繰り返し行うことが
何よりも大切なことだ

 誰かに話したくなる体験や経験は、自分自身が夢中になった成果といってよいだろう。そして、その多くは自分が好きなことや志向していることと同じ方向を示していることにつながる。世の中のことや、企業社会のことや、働くことの意味などがまだまだわからない今の段階では、就職活動に正面から向き合う前に、自分の好きなことや嫌いなこと、これからやってみたいこと、どのような人生を歩みたいかなど、自分と話し合うことに時間をかけてもらいたい。「習慣は第二の天性なり」という。身に付けた習慣は生まれつきの性質のように、あなたの日常生活に強い影響を与えるはずだ。就職活動がそのキッカケになることを願っている。
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文舘出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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