シエンタ絶好調でも、「C-HR」が大苦戦する理由 トヨタの主力車種で明暗が分かれた背景

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ここまで落ち込んだのには複数の理由がある。まずC-HRは現行型が初代モデルだから、従来型からの安定した乗り換え需要を見込めない。後席や荷室が狭いので、ファミリーカーとして使う実用志向のユーザーも取り込みにくい。

そこで後席と荷室が広いコンパクトSUVのホンダヴェゼルと比べると、2017年の売れ行きはC-HRが圧倒的に上回ったが、2018年は僅差になり、2019年度上半期は順位が逆転した。ヴェゼルの発売は2013年と古いが、C-HRに比べると売れ行きが安定している。

C-HRの登録台数が発売直後に急増して、2年後から大きく落ち込んだのは、主に外観デザインの魅力によって売れる商品であるからだ。スポーツカーにも当てはまる話だが、デザインの個性で売れる趣味性の強い車種は、購買意欲を刺激されて発売直後に購入するユーザーが多い。実用重視の車種と違って、愛車の車検期間が残っていても急いで乗り換えるから、売れ行きが一気に伸びる。

その代わり実用性では選ばれないため、欲しい人がひと通り購入すると、売れ行きが伸び悩む。このような経過をたどるため、つねに販売ランキングの上位に入るのは実用志向の車種だ。ヴェゼルも後席と荷室が広く実用性が高いから、息の長い人気を得ている。C-HRは実用性を伴うSUVカテゴリーに入るから、人気が長続きするように思われたが、趣味性の強いスポーツカー的な売れ方になった。

販売が失速したクラウン

クラウンも心配な車種だろう。現行型は2018年6月に発売され、1カ月後の受注台数は3万台と発表された。月販目標は4500台だから、約7倍の受注であった。

2019年に入って売れ行きが落ち着いたクラウン(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

ところが2019年には、売れ行きが落ち着く。2019年1~6月の1カ月平均は約3600台で、月販目標に届いていない。3万台を受注した後、売れ行きが急速に鈍った。

そして2019年7月の対前年比は35%(2490台)だから前年の3分の1に下がり、8月も41%(2326台)、9月は63%(3806台)であった。いずれも月販目標の4500台に遠く及ばない。

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