シエンタ絶好調でも、「C-HR」が大苦戦する理由

トヨタの主力車種で明暗が分かれた背景

コンパクトカーとコンパクトミニバンのシエンタは、直接には競合しないが、ヴィッツの登場は2010年でアクアも2011年と古い。コンパクトなトヨタ車を選ぶユーザーが、比較的新しいシエンタに注目することはあるだろう。

そしてシエンタのような居住性と積載性が優れた実用重視の車種は、街中で頻繁に見かけるようになり、ユーザーに人気車として認められると、長期間にわたり好調な売れ行きを保つ。

例えば軽自動車のホンダN-BOXは、先代型も、フルモデルチェンジの直前まで国内販売の1位を守っていた。現行型もこれに引き続き好調だ。先代タントは現行型に一新されるまで好調に売れ続けた。日産ノートの発売は2012年、ハイブリッドのe-POWERを加えたのも2016年にさかのぼるが、今でも販売ランキングの上位に入る。

これらの人気車が好調に売れた結果、同じメーカーの他車が落ち込んだこともあるが、今は以前に比べて販売ランキングの上位車種があまり入れ替わらない。一度人気を得ればその後も安泰で、ある意味保守的な販売動向になっている。シエンタは“好調に売れる波”に乗った。

C-HRも発売当初は好調だったが…

一方、C-HRは2016年12月に発売された。当初の売れ行きは好調で、2017年(暦年)には1カ月平均で約1万台が登録され、SUVの国内販売1位になった。小型/普通車の販売ランキング順位も、プリウス、アクア、ノートに次ぐ4位に入った。5位はコンパクトミニバンのホンダフリードだから、いずれも販売ランキング上位の常連車種だ。C-HRもこの仲間入りをして、安定的に売れ続けると思われた。

販売不調のトヨタCーHR(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

ところが2018年になると売れ行きが急降下を開始する。2018年上半期(1~6月)の時点で、対前年比は52%と半減。2018年(暦年)で見ても66%に落ち込み、1カ月平均の登録台数は6400台だ。2017年の1万台に比べて大幅に下がった。

さらに直近の2019年度上半期(2019年4~9月)は、対前年比が前述の69%で、1カ月平均の登録台数は4200台なので、約2年間で売れ行きが60%近く下がったことになる。

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