密着ルポ、物流を支える「貨物列車」の舞台裏 鹿島臨海鉄道、ディーゼル機関車にも同乗

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さて、いよいよ貨物列車の出発です。今回同乗させていただいたのは、神栖駅11時50分発の94列車。コンテナ貨車15両をディーゼル機関車が牽引します。機関車は、今では1両だけになったKRD形。走るディーゼル機関車の運転台に乗せていただくのは今回が初めてです。

神栖駅長:ここでは運転士がリモコンのようなもので出発の要求をします。すると、信号機が出発に変わります。

――これが先ほど伺った「ズバコン」ですね! このシステムのメリットはどんなところですか?

渡辺:もともとは駅長が出発していいですよという合図をしていたんですが、それが必要なくなるという点です。決められた時間になって異常がなければ、運転士が信号を要求することで列車が出発できるわけです。

神栖駅長:奥野谷浜方面への列車は駅長が運転士にスタフを渡します。ですので、そちらは駅長の指示がないと出発できません。

いよいよ出発、KRD形が奮闘!

11時50分、列車はエンジン音も高らかに神栖駅を出発。しばらくの間は工場地帯を走ります。スピードは時速20kmちょっと。決して速くはありませんが、窓から吹き込む風が爽快です。

機関車の後ろにずらりと連なる貨車(撮影:尾形文繁)

カーブに入って後ろを見ると、機関車の後ろに延々と連なる15両のコンテナ貨車が。KRD形はなかなかの力持ちです。勾配区間では少しスピードが落ちてきますが、エンジンのうなる音で、頑張って列車を引っ張っていることが伝わってきます。だんだん線路が平坦になってくると、スピードも20kmを超えて30kmに届きそうです。

――車体の前後にあるボンネット、運転席から見ると長いですね。

飛田:運転席からだと直前は見えません。だから貨車を連結したり構内を行ったり来たりするときは、前に誘導する人が付くんです。

――あの、入れ換えなどのときにカッコよく先頭に立っている方々ですね!

飛田:そうですね。あ、場内信号機が見えてきました。そろそろ鹿島サッカースタジアム駅です。

――もう到着ですか!延長でお願いします(笑)。

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