密着ルポ、物流を支える「貨物列車」の舞台裏 鹿島臨海鉄道、ディーゼル機関車にも同乗

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今度は場所を移動して、駅の北側にある荷役線にやってきました。

――先ほどの場所では一般的なサイズのコンテナが多かったですが、こちらは大型のコンテナやタンクコンテナなどが目立ちますね。こちらでは、より専門的な扱いが求められるコンテナの積み込みをするのでしょうか?

神栖駅の構内は広い。手前のエンジ色のコンテナが12フィートコンテナ。奥にタンクコンテナも並んでいる(撮影:尾形文繁)

渡辺:先ほどの南側の荷役線は12フィートのJRコンテナの取り扱いがほとんどですが、こちらは化学薬品などのお客様専用のタンクコンテナなど、大型のコンテナ主体というふうに区分けしています。

――それぞれのコンテナがどんな荷物を運んでいるかはどのような方法で判別するのでしょうか?​

田畑:貨物情報ネットワークシステム「IT-FRENS」というシステムがありまして、そのシステムに荷物がどんなものかといった情報も入っています。

――ということは、この15両のどのコンテナに何が載っているか、すべてシステム上でわかるのですね!

渡辺:はい。実はコンテナやコンテナ貨車、集荷配達するトラックの荷台にIDタグが付いていて、すべてシステムで管理しているんです。JR貨物の大きな駅だとフォークリフトでどのコンテナの作業をしたか、どのコンテナに何が積載されているか、そういう情報もIDタグでシステム管理しています。

駅でのコンテナ位置管理も

田畑:昔は1つ1つコンテナの番号を記録していたんですが、今はフォークリフトにIDタグの読み取り装置が付いていて、コンテナにフォークを刺すことによってタグを読み取り、中央のシステムにそのデータを送って管理しています。今どこの駅にどのコンテナがあって、集荷済みなのか配達済みなのかといった状態もIT-FRENSですべて管理しています。

――すると、運行中のどの列車の何両目のどのコンテナが、というところまで全部、一目瞭然なのですね。

久野アナが指さしているのがIDタグ。コンテナの動きはシステムですべて把握している(撮影:尾形文繁)

渡辺:そうですね。JR貨物の機関車にはGPS装置が付いているので、列車単位で今どこを運行しているかが管理できるようになっています。駅のどこにどういうコンテナがあるかという位置管理もできるんです。

――すごいですね! ちなみに、そのシステムがなかった時代はどうされていたのですか。

渡辺:コンテナに四角い窓がありまして、そこに行先や荷物の内容を書いた「荷票」というものを入れていました。

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