密着ルポ、物流を支える「貨物列車」の舞台裏

鹿島臨海鉄道、ディーゼル機関車にも同乗

鹿島サッカースタジアム駅には12時15分ごろに到着。列車はJR貨物の電気機関車にバトンタッチして、東京貨物ターミナルを目指します。

飛田:この駅はJRと鹿島臨海鉄道の接続駅で、荷物の積みおろしはしませんが機関車を付け替えます。

鹿島サッカースタジアム駅に進入。右前方にJR貨物の電気機関車が見える(撮影:尾形文繁)

――JR貨物の「桃太郎」(EF210形電気機関車)が待っているのが見えます。「あとは俺に任せろ!」という感じです。ここで「桃太郎」が貨車を引き継いで目的地へと向かうんですね。

飛田:ここでは機関車を付け替えてブレーキの確認をします。ブレーキ試験は、誘導している社員が列車の一番後ろまで行って、無線機で「1094列車の運転士さん、ブレーキ試験行います」というふうに、機関士と連絡を取りながらやります。

連結器とブレーキを念入りに確認

鹿島サッカースタジアム駅では、ここまでの15両に加えて3両の貨車を連結します。無線から点検の様子が聞こえてきます。「連結オーライ、テコ・ピン・ピン・テコ」。

――「ピン・ピン・テコ」ってなんだか面白い言葉ですが、何を点検しているところですか?

鹿島サッカースタジアム駅に到着した貨物列車と、取材する久野アナ(撮影:尾形文繁)

飛田:連結の状態の点検です。「テコ」というのは、連結器を切り離すために使う棒のような「解放テコ」というのがありまして、これがちゃんと下に収まっていることを確認しています。「ピン」は連結器の錠ですす。それを1両1両点検しながら「テコ・ピン・ピン・テコ」と言っているわけです。

――なるほど! そしてこれからブレーキの検査が始まるんですね。

「1094列車の運転士さん、こちら操車。無線機感度いかがですか」
「1094、感度良好」
「こちらも感度良好です。引き続きブレーキテストを行います。ブレーキどうぞ」
「ブレーキ了解!」

――ブレーキの効きは後ろで確認するんですね。

飛田:ブレーキ用の空気の管は、途中でコックが締まっていたりすれば一番後ろにエアー(空気)が来ないわけですね。最後尾までちゃんと来ていれば、一番後ろにいる社員がブレーキの動きを見て確認できます。あと、ブレーキ用の空気ホースの端にメーターを取り付けて、そこでも確認します。

「これで1094列車ブレーキテスト終了します。おつかれさまでした」
「ご苦労様でした」

――これでブレーキテストを終えて、いよいよ「桃太郎」に牽(ひ)かれて出発するんですね。なんだか鉄道のロマンを感じますね……。

―取材を終えて―
エコレールマーク。鉄道貨物輸送に取り組んでいる企業や商品であると認定された場合に、その商品やカタログなどにつけられる(画像:公益社団法人鉄道貨物協会)
普段は、なかなかスポットライトの当たることがない鉄道貨物輸送。旅客運営をされながら、荷役も担う鹿島臨海鉄道さんならではのお話を聞かせていただき、その奥深さに感銘を受けました。通常なら決して立ち入ることのできない貨物駅や、機関車の運転台からの臨場感をお届けすることで、1人でも多くの方に関心を持っていただけたなら幸いです。

日本の物流を支える“エコ”輸送の代表・鉄道貨物。縁の下の力持ちとして、あなたの身の回りの「あんなもの」や「こんなもの」も、実は貨物で運ばれたものなのです。

ぜひ、これから日用品を使うときには、鉄道貨物輸送の証し=“エコレールマーク”を探してみてください。最新のシステムと、荷役の皆さんの汗と努力で運ばれたことに思いをはせていただけるとうれしいです。荷役の皆さん、いつも本当にありがとうございます!!
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