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大ヒット作に学ぶ、「映像コンテンツ」戦略 企業価値を上げる映像コンテンツ3つのポイント(上)

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  • 久保 明彦 オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン合同会社 社長兼グループ代表
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以上、ご紹介したGoogleとThai Life Insuranceのショートフィルムは、いずれも、その国における大きな社会課題へのチャレンジを見ることができるとお気づきになったはずだ。

ここで、企業と社会の関係をCSRの観点からも見つめ直してみてほしい。企業が、その社会に存在している理由とは何だろうか? 単に売り上げや利益を上げる、ということだけではない。現在、そして未来の社会から求められていることと企業活動がつながっていなければ、企業は持続することができないであろう。つまり、企業活動そのものが社会に貢献していなければならない。すなわち、企業理念が企業戦略ばかりではなく、ブランドの構築、マーケティング活動に直結していなければならない。

特に日本においては、これまで、企業戦略とマーケティング戦略は切り離されて考えられている場合が多い。しかし、今後はこの2つを融合させていかなければならない。

企業の存在意義をわかりやすいストーリーとして発信

GoogleとThai Life Insuranceの海外事例は、共にショートフィルムという映像コンテンツを通じて、その社会におけるブランドの社会的指標を、共感しやすいストーリーとして表現する、いわゆる「ネイティブアド」といえるであろう。従来の広告的なアプローチをとっていないため、受け手は「広告されている」という印象はもたないはずだ。

ゆえに、SNSなどを通じて国境を越えてシェアされ、再生回数を増やし、ブランドの認知を獲得するだけではなく、企業価値さえも上げていく。日本企業のグローバル化が進む中、映像の持つ潜在能力を最大限に引き出すブランデッド映像コンテンツ、ネイティブアドは、今後はより各国のブランドの企業価値向上に貢献することになりそうだ。

次回の予告
 今回ご紹介したようなショートフィルムを、皆さん自身、あるいは友人や家族がSNS上などで「シェア」、つまり共有しているのではないだろうか。映像は、作っただけでは終わらない。むしろ、そのPRおよび拡散も重要だ。しかし、PRとなるとまた骨が折れそうな作業に聞こえるかもしれない。ところが、これは根本的なインサイトを理解したうえで、映像をシェアしやすい構造を企業側が作ってしまえば、自然と拡散していくことも可能なのだ。
 次回は、このようなブランディング・ツールとしてのショートフィルムがインターネット空間で効果的に拡散された事例を解説していきたいと思う。

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