「消臭力」がそれでもミゲルを使うワケ

異色のエステー宣伝トップが語る、究極のクリエーティブ哲学

消臭剤「消臭力」シリーズなど、数々のヒットCMで有名なエステー。2013年8月にスタートしたシリーズでは、イケメンに成長した“ミゲルくん”と歌手のさくらまやさんがユニット「MarMee(マーミー)」を結成し、大人になった姿を披露。CMは8月後半のCM好感度で2位(CM総合研究所)を獲得し、話題となった。その一方で、名だたる有名企業が数百億の予算をCMに投下するのと比べると、エステーの広告予算は30億円程度と、特別多いわけではない。限られた予算の中で視聴者の心をつかむCMは、どのように作られるのか。CMの作詞作曲やタレントのプロデュースまでをも手がける異色の宣伝担当 執行役の鹿毛康司(かげ こうじ)氏にヒット作品を生み出す秘訣を聞いた。

トヨタやリクルートにCMで勝つ!

――2013年も「消臭力」のCMが注目を集めました。

ミゲルが初めてCMに登場したのは2011年。印象的な曲調に乗せた、少年らしいかわいらしい容姿と意外なほどパワフルな歌声が注目されました。その後も歌手の西川貴教さんとコラボさせていただくなど、当時のヒットキーワードにもなりました。しかしそれから2年が過ぎ、「ミゲルはもういいんじゃないか」なんて声も聞こえてくるようになりました。声変わりもして、以前のかわいらしさが薄れてしまったと。でも、そんなことはないと思ったのです。僕はミゲルの東京の父と言われているくらいですよ(笑)。みんなを見返すためにも、ミゲルをメチャクチャかっこよくしてやろう、と、気合を入れ直しました。

そこで、子犬が成犬に成長していく中間にあるような、不思議な魅力を引き出そうと考えたのです。そのために、ミゲルのパートナーとして選んだのが、さくらまやちゃん。2人の強力なインパクトによって、CM好感度ランキングも2位を獲得し、みなさんに高い評価をいただくことができました。

(2013年話題になったミゲルくんとさくらまやさんの「消臭力」CM)

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