日用品で広がる香りブーム、脱価格競争の救世主
日用品市場が香りブームに沸いている。
P&Gが2月に発売した衣類用香り付け製品「レノアハピネスアロマジェル」は、発売と同時に大ヒット。分量を調整できたり、手持ちの柔軟剤と組み合わせて好みの香りを作れる機能が受けた。店頭価格は約600円と日用品としては高額なうえ、洗浄などの機能がないにもかかわらず、売れすぎでいまだ一時出荷休止状態となっている。
香りが強く、長もちする商品は2009年ごろから洗濯用商材を中心に急増。11年の柔軟剤市場規模は697億円で、香り付き製品が牽引役となり前年比約6%拡大した。
香りとは親和性のなさそうな商品にもブームは波及している。ユニ・チャームは昨年夏、本格的なアロマの香りを配合したパンティーライナーを発売。計画を30%上回るペースで売れており、これを足掛かりに香り付き商材の種類を増やしたい考えだ。「においが付かない」ことを売りにしていたエステーの防虫剤「ムシューダ」も、10年に微香性の「かおりムシューダ」を投入。防虫剤を使う習慣のなかった若年層間での利用が広がっているという。
各社が躍起になる背景には、日用品の価格下落を食い止めたいという思惑がある。近年コンビニやドラッグストアの低価格プライベートブランド(PB)商品が次々と登場。そのあおりで衣料用洗剤などの価格下落が続いており、各社とも低価格品と差別化することで価格の底上げを図っている。