3日で「話すように書ける」衝撃の作文のコツ 子どもたちがつまずく意外なカベ

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子どもは自由な発想をします。大人には思いつかないような、わんわん言葉、にゃんにゃん言葉を答えることもあります。大人にとっては多少違和感がある表現だとしても、本人の感受性を尊重してあげてください。

私の受け持つ作文授業では、この「わんわん言葉」と「にゃんにゃん言葉」を足がかりにして、使えることばを増やす語彙力トレーニングをゲーム感覚で行います。このトレーニングをすると、辞書を読み込む子や、図書館で本を借りて新しい言葉を探そうとする子がぐんと増えます。

型を知れば、作文が怖くなくなる!

語彙が増えてきたら、文の語順である、「6つの型」を教えます。

最初のうちはこの型を使って書く練習をすることで、「この順番で書けばいいんだ」という安心感が生まれ、自然とスラスラ書けるようになっていきます。

書けない理由③の「どうやって書くのかわからない」が解決され、自然とスラスラ書けるようになっていきます。慣れてきたら型をやぶり、どんどん自分らしい表現をしていきましょう。

その後、文と文をつなげる「つなぎ言葉」(接続詞)、言葉と言葉をつなげる「くっつき言葉」(助詞)を学んでいきます。こうしていくことで、書けない理由④「文をうまくつなげられない」が解決でき、自然と文法的にも正しい文章を作れるようになっていきます。

『小学校6年生までに必要な作文力が1冊でしっかり身につく本』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

最終的には、子どもが作文を書きやすくするための特別原稿用紙も使いながら、書けない理由⑤の「原稿用紙を埋めることが難しい」も解決していきます。

近年では、大学入試も大きく変わり、ますます記述式の問題や小論文などが増える傾向にあります。また、よく「活字離れ」などといわれますが、実際のところ、メールやSNSといった文字ツールの増加もあり、文章でのコミュニケーションは減るどころか増える一方です。

作文力に自信を持つことは、進学してからも、社会人になってからも、必ず役に立ちますし、一生の財産になります。何より、自分の想いを文章で伝えられるのは、とても楽しいことです。ぜひ、保護者のみなさんも、お子さんと一緒に楽しみながら作文に取り組んでいただきたいと思います。

安藤 英明 北海道ソフトテニス連盟参与

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あんどう ひであき / Hideaki Ando

1948年北海道生まれ。北海道教育大学旭川校卒業後、小学校教諭として子どもたちの教育に専心。現在は、特別指導員として子ども、教員、学生、保護者を対象に授業や教育講演を行うほか、地元北海道で若手教員育成のための勉強会「安藤塾」を30年にわたって主宰する。
苦手意識のある児童に「これならできる!」と自信を持たせ、主体的に楽しんでもらいながら学力を伸ばす手腕に定評がある。なかでも、作文が苦手な子と向き合い続けて編み出した独自の作文指導法は、「たった3日で、誰でもスラスラ作文が書けるようになる」と評判を呼ぶ。「作文が書けない理由」を一つひとつ解決し、作文を好きになってもらう指導法を学ぼうと、北海道はもとより日本全国から授業の参観者が集まるほどの人気ぶりとなる。
中学校・高校のソフトテニス部のコーチとしても活躍し、4回にわたりチームを全国優勝へ導く。また、小学校の北海道選抜チームの監督としては12回の全国優勝を経験する。文武ともに、子どもの潜在能力を最大限に引き出す指導法に優れ、「先生の先生」として教員にも熱狂的なファンが多い。
著書に、3日間の授業で行われる作文指導を、家庭で学習できるように凝縮してまとめた『小学校6年生までに必要な作文力が1冊でしっかり身につく本』(かんき出版)などがある。

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