テレ朝の女前アナが、老若男女に好かれるワケ ファッション、飲みニケーション、言霊

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運動神経のよさと頭の回転の早さは抜群

もっとも、以前は松尾さんはファッションに無頓着なほうだった。大学時代は女子アナの登竜門ともいえるミスコンにも興味なし。就職活動の時期に、自分は何が好きだったのか、小さい頃を振り返り、小学生のときに教科書を声に出して読むのが好きだったことを思い出して、アナウンサーを志望。最初に受けたテレビ朝日のアナウンサー試験に合格した。

先輩アナウンサーで現在、広報部の藤井暁さんは、松尾さんの新入社員時代を振り返り、こう評価する。

「彼女と同期入社は男性アナ2人で、彼らと毎日、神宮球場で野球実況の練習をしていました。こんなに劇的に上達する女の子がいるのかとビックリしました。運動神経のよさと頭の回転の早さは抜群です」

松尾さんは、「ついていくのに必死で、何とか野球スコアもつけられるようになりました」と謙遜するが、そのスピード感とひたむきさは、報道の現場で遺憾なく発揮されることになる。

居ても立ってもいられず、被災地に直行

夕方のニュース情報番組「スーパーJチャンネル」のサブキャスターを担当していた2005年夏、松尾さんの故郷・宮崎を台風が襲った。「そのニュースを東京で見て、居ても立ってもいられなくなって、行かなきゃ!と思った」。

土曜日の朝に仕事を終えて宮崎に飛び、自前のデジタルカメラを手に地元の被害状況を取材。翌日曜日の朝に東京に戻った。宮崎で撮った映像が放送され、大きな反響があった。

その後も災害が起きると、現地に直行する。

「今は宮崎だけでなく、あらゆる地域が自分にとって故郷だと思いながら取材しています。大好きな故郷や家族を思う気持ち、希望につながる小さな光を、その場の空気感も含めてお伝えして、全国のみなさんの力をお借りしながら一緒に支えられたら……」

飲みニケーションは仕事に生きる

華やかに見える女子アナの仕事だが、報道の世界は男くさい。「スーパーJチャンネル」を担当していた頃は、毎日のようにスタッフと飲みに出かけ、「お酒があるところには松尾が行くと言われました」と笑う。飲みニケーションは、仕事に生きると考えている。「ビジネスといっても、結局は人と人とのつながり。人間関係が近くなれば誤解されずにスムーズに進むこともあるから」だ。

若い男性ですら職場の飲み会に参加したがらない昨今、松尾さんのこんなところが、男社会でうまくやっていけるゆえんだろう。

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