子どもを「見守るのがつらい」親に欠けた視点 “監視"される子どもの気持ちは…

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不登校の子どもを親が「見守る」という行為は、実は監視することにつながっているかもしれません(写真:Fast&Slow/PIXTA)

今回は「見守る」というテーマで書いてみたいと思います。夏休みが明けてからの相談を受けるなかで、保護者が「子どもを見守る」ことに悩んでいるように感じたからです。

ある保護者から以下のような気持ちを聞いたことは強く印象に残っています。

当記事は不登校新聞の提供記事です

「毎日行けない姿を見ていると、原因もわからないし、何をしてあげたらいいのかわからない。子どもも苦しいかもしれないけど、私も悲しい。行けないとわかっていても、見守るだけではつらいです。もう相談するのも疲れました」

子どもが不登校になってから学校の保護者会やフリースクールなどに相談すると、「見守っていきましょう」と言われることが多いです。

また、子どもを見守ることで「子どもの様子が改善した」という体験談を聞いた方も少なくないようです。そうすると、わが家でも見守ることでよくなるかもしれないと期待してしまいます。

しかし、そんな思いとは裏腹に、子どもはゲームばかりで昼夜逆転してしまうなど、全然よくならないばかりか、むしろ悪くなっていると思うような状態になることがあります。

ガマンして注意深く?

余計なことはせず、余計なことも言わず、手を差し伸べたい思いをずっとガマンしながら、せめてなんとかわが子の気持ちを知ろうと注意深く、子どもを見続ける方がいます。それが「見守ることだから」と。

「見守る」ために大切だと私が思うポイントは「子どもについて知らないことをどれだけ増やしていけるか」ということです。

こう書くとおかしなことに聞こえるかもしれませんが、子どもにとって見守られていることへの緊張感をどれだけ取り除けるか、ということです。

言うまでもなく、見守ることは監視することではないからです。

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