セブン&アイ、「3000人リストラ」でも甘い理由 ヨーカ堂と百貨店に振るわれたのは大ナタか

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そごう・西武でも、2017年3月から関西地方2店舗のエイチ・ツー・オー リテイリングへの譲渡に加え、西武船橋店と西武小田原店の2店舗を閉店してきた。つまり、2年半で4店舗撤退しており、今後の3年間で5店舗を閉店するというのは、決して大規模とは言えない。

セブン&アイHDは今回、大黒柱であるセブン-イレブンのテコ入れにも乗り出す。2019年に入って始まった24時間営業をめぐる騒動を通して、加盟店の人手不足だけでなく、本部へ支払うチャージ(経営指導料)の負担が重いため、加盟店が低収益にあえいでいる現実も浮き彫りになった。

今後追加リストラの可能性も

そこで、2020年3月から加盟店が本部に払うチャージを変更する。24時間営業店で、月の売上総利益額が550万円を超える店舗については月3万5000円を減額する。月の売上総利益が550万円以下の店舗については、現行の3%チャージ減額をなくすかわりに、月20万円を減額する。非24時間営業店でもチャージを見直し、この変更によって総額で年間約100億円の本部の減益要因になると、セブン&アイHDは計算する。

また、セブン-イレブンでも2019年9月から2021年2月にかけての1年半の間に、1000店の閉鎖やスクラップ・アンド・ビルド(立地移転)を実施すると発表した。ただ、今2020年2月期の閉店と立地移転は計750店を予定している。前期も同水準の規模を実施しており、セブン-イレブンの不採算店見直しも改革を加速するほどの規模ではない。

セブン&アイHDの井阪社長は、「加盟店のモチベーションを上げ、積極的な経営をしていただくことが、グループの中長期的な成長ドライバーになる」と話す。

稼ぎ頭のコンビニ事業で加盟店から得られる収益が減る中で、これまで不調だったイトーヨーカ堂やそごう・西武の改善は不可避だ。従前の取り組みで結果が生まれなかったことを考慮すると、今後追加リストラを迫られる可能性がある。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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