セブン&アイ、「3000人リストラ」でも甘い理由 ヨーカ堂と百貨店に振るわれたのは大ナタか
イトーヨーカ堂は、需要が底堅い食品への注力や不採算店の閉鎖を進めてきた。2017年2月時点で171あった店舗は、2019年8月時点で158まで減少した。
中期計画の最終年度である2020年2月期に営業利益率1.3%、営業利益150億円を目標にしているが、イトーヨーカ堂の2019年2月期実績はそれぞれ0.38%と47億円。2020年2月期の会社予想も0.54%と65億円と、目標からほど遠い状態だ。
そごう・西武でも不採算店を撤退したり、他社へ譲渡している。かつて全国に30店舗を構えていたが、現在はその半分の15店舗しかない。しかし、2020年2月期の営業利益率1.8%、営業利益130億円の目標に対して、2019年2月期実績は0.53%と32億円。2020年2月期の会社予想は0.67%、42億円にとどまっている。
イトーヨーカ堂は1700人を人員削減
この厳しい状況を受け、セブン&アイHDは今回、さらなるリストラに踏み切ることを決断した。
イトーヨーカ堂では2023年2月期までに、自力再生が困難な33店舗について、グループ内リソースを使った立て直しや他社への譲渡など外部との連携、そして閉店を検討する。人員削減にも着手し、2019年2月末で7700人いる社員数のうち、2023年2月末までに1700人を減らす。
そごう・西武でも、滋賀の西武大津店など関西地方を中心とする5店舗の閉鎖と、西武秋田店や西武福井店の面積縮小を発表した。
今回閉店や規模縮小を決めた店舗の多くは、売上高のピーク時が20年以上も前だった。西武大津店は、1993年2月期に371億円あった売上高が2019年2月期には99億円まで減少している。西武秋田店と西武福井店も、ピークだった1993年2月期に比べて2019年2月期の売上高がそれぞれ25.3%減、54.7%減となっており、今後の店舗継続が懸念される水準だ。
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