「星のや」が脱デジタル宿泊を進める社会的背景 30代の3割が「スマホ依存症」を自覚している

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私のような依存症とまではならなくても、デジタル社会に対する疑問や、半ば強制的にSNSやLINEを使わされる人間関係に生きづらさを感じ、デジタル機器を使う頻度やデジタル機器との付き合い方を見直したいと思っている人は、相当数いるはずだ。

そこで、デジタル機器との付き合い方を見直すきっかけとして注目されるのが、「脱デジタル」を目的としたプランやツアーだ。星のやが提供する「脱デジタル滞在」とは、どのようなものなのか見ていこう。

脱デジタル滞在は、2014年に「星のや軽井沢」から始まったそうだ。「2011年からスマートフォンが流行したアメリカで、2013年頃にデジタルデトックスが流行し、日本にも来るのではないかと予測した。星のや軽井沢の“自然に囲まれた環境”や“テレビを置かない”といった、非日常の空間を提供するというコンセプトが、脱デジタルを体験するのに適していることからプランを開発した」(星野リゾート広報)という。

その後、同プランは星のや各施設で期間限定で実施してきたが、脱デジタルに対する社会的ニーズの高まりを受け、今年から国内の星のや全5施設で、通年で利用できるレギュラープランになった。

星のや京都「月橋メゾネット」1泊税抜き16万7640円~。写真左が2階書斎、右がベッドルーム(筆者撮影)

スマホを預けるだけではない

脱デジタル滞在は、スマホなどのデジタル機器を預けるだけでなく、滞在中、デジタル機器がないことで手持ち無沙汰にならないよう、自然や地域文化に触れられる、ご当地ならではのアクティビティが用意されている。

例えば、星のや軽井沢では「馬と触れ合う」がテーマのアクティビティが用意されており、乗馬のみならず馬のケアまで体験できる。また、星のや竹富島では琉球に伝わる伝統的な木造船「サバニ」で釣りを体験した後、干潮時にのみ現れる小さな島に渡り、思い思いの時間を過ごすことができる(サバニ体験は10月まで。11月以降は別プログラム)。

預けたデジタル機器は、塗りの箱に入れて保管される(筆者撮影)

今回、私は星のや京都での脱デジタル滞在を体験した。渡月橋のたもとの船着き場から送迎船で宿に到着し、チェックイン後、デジタル機器を預ける。このとき、「スマホは預けるがデジカメは手元に残す」といった選択は可能だ。預けたデジタル機器はチェックアウト時まで専用の箱で保管してもらう。

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