台風19号の「低気圧」で体調が悪い人の特徴 「気象病」は決してきのせいではない

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最近ではエアコンで夏は涼しく、冬でも温かく過ごすことができます。こういう体にとってやさしい環境は、自律神経系の働きを弱めることにつながり、気圧の変化などで自律神経のバランスが崩れやすくなって、気象病に悩む人が増えている原因のひとつです。たまには意識して汗をかくほうがよいでしょう。

また、気象病の人は耳の血流が悪い傾向があると言われています。ですから、耳の血流をよくすれば、気象病の予防にも役立ちます。

気象病を予防するには

気象病がつらいという人は、下の(1)~(4)のマッサージを1日3回、痛みの出ない程度の力で行ってみてください。

(1)耳を上下横に5秒ずつ引っ張る

(2)耳の横の部分をつまみ、軽く引っ張りながら後ろに向かって5回ゆっくり回す

(3)耳の下に親指を当て、上に人差し指を当てて上下に折り曲げる。この状態で5秒キープする

(4)耳全体を手で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくり5回回す

佐藤先生の天気痛外来では、患者の症状に合わせて内耳の調整薬を処方すると症状が改善する場合があるそうです。内耳の揺れを抑えるための内耳の調整薬は、気圧の変化にも有効かもしれません。

気圧の変化が一目でわかり、注意したほうがよい時間帯もわかるようになっているアプリ。また、ツイッターアカウントもあり、気象予報士がその日の気圧や気温の変動について注意喚起を行っています(画像提供:ポッケ)

もし、自分の症状が乗り物酔いとよく似ているのなら、市販の酔い止めの薬でも、種類によっては効く可能性があるそう。ただし、効き目は商品や本人の体質によってばらばらなので、まずは医師に症状を伝えたうえで薬剤師に相談し、購入するようにしましょう。

気圧の変化を見ながら、自分の気象病の症状がいつ出るのかを把握しておけば、気象病に対する心構えや薬を飲むタイミングもわかります。「頭痛ーる」というアプリは、気圧の変化がわかるだけではなく、気圧が大幅に変化するときに注意のメッセージも表示されます。自分の体調や薬を飲んだタイミングも記録できるので、体調管理に活用してみるとよいでしょう。

私自身も気圧の変化がわかるお天気アプリは「頭痛ーる」のほかには見当たらないので、よく活用しています。

天気による体調不良は「気のせい」ではありません。あらかじめ体調が悪くなりそうかがわかれば、それだけでもさまざまな対策が取れるのではないでしょうか。

今井 明子 気象予報士・サイエンスライター

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いまい あきこ / Akiko Imai

2001年京都大学農学部卒。酒メーカー商品企画部、印刷会社営業職、編集プロダクションを経て、2012年からフリーに。子ども向けや一般向けにわかりやすく科学を解説する書籍や記事を多数執筆。著書に『気象の図鑑』(共著、技術評論社)、『異常気象と温暖化がわかる』(技術評論社)がある。ほか、医療・健康、教育、旅行分野も得意。気象予報士として、お天気教室や防災講座の講師も務める。

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