東横線とは違う「東急多摩川線」の隠れた実力 路面電車のように乗れ、使い勝手が良い
沿線住民との距離の近さを物語るエピソードが次々に飛び出した。こうしたことは、東横線や田園都市線のような“本線格”の路線ではほとんどないことだというから、東急多摩川線はやはり特別な路線なのだろう。では、実際に多摩川線に乗り込んで、各駅を訪れてみることにしよう。
東急多摩川線は多摩川駅から出発する。多摩川駅は東横線・目黒線が通る駅で、つまりは乗り換えのターミナル。東横線や目黒線は高架のホームだが、多摩川線は地下ホームを出発する。そして駅を出てすぐに地上に出て東に向かって蒲田を目指すのだ。
山口駅長は「多摩川線のご利用ということでは大半が乗り換えのお客さま」と教えてくれた。だいたいが多摩川線から東横線方面に乗り換えるものだと思っていたが、朝のラッシュ時には東横線・目黒線から乗り換えて蒲田方面を目指す人も多いのだという。
緑豊かな多摩川駅
多摩川駅のすぐ北にはかつて遊園地「多摩川園」があった。1925年に開園してにぎわったもの、戦後レジャーの多様化などもあって来園者が減り、1979年に閉園した。
その跡地は公園になっているほか、周囲にはいくつもの公園や浅間神社。駅から5分も歩けば多摩川の河川敷に出るし、ともかく緑豊かな駅なのである。
取材に同行してくれた東急広報グループの加藤千咲さんが「学生時代、ここでテニスばかりやっていたんです」と話してくれたが、その言葉どおりテニスコートも多くて学生たちの姿も目立つ。
そうした起点の多摩川駅から出発してすぐにお隣の沼部駅へ。駅の東側では東海道新幹線が頭上を駆け抜ける。果たしてどのような駅なのか、山口駅長に聞いてみると……。
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