期待の新人が「期待はずれ」に終わりがちな理由 「人気」と「評判」をはき違えていませんか?

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コミュニケーション能力に長けた人気者タイプであれ、そうでないタイプであれ、結局のところ、仕事で重要なことは、仕事を通じて長期的な「評判」を上げていく、ということです。

では、「評判」を上げるにはどうしたらいいか。もちろん、仕事で実績を出して、「あいつはできる!」という信用を勝ち得ることができれば、それに越したことはありません。でも、そこまではっきりした実績がなくても、信頼を高め、評判を高めていく道はあります。それは、1日10分でもいいから毎日、「自分なりのルーティンワークに取り組む」ということです。

例えば会議の前には必ず、今話題になっている議案について、過去の資料や周辺の情報について、きちんと調べ物をしておく。あるいは会議や打ち合わせが終わったときには、必ず自分のノートに、その日の議論をまとめておく。こういうことをルーティンワークとして、自分に課しておくのです。

ルーティンワークのいいところは、仕事に「リズム」が出てくることです。新人は往々にして、一つひとつの仕事をミスしないように、丁寧にやろうとしがちですが、そうしすぎるとかえって作業のリズムがつかめなくなるのです。

正確な仕事をするには作業にリズムが必要だということを知っている人は日本には意外に少ないようですが、仕事というのは、あまり細部にとらわれすぎず、リズミカルにこなしていったほうが結果的にはミスが少なくなります。

細部に気持ちがとらわれているときというのは、私たちは意外に、目の前の現実を十分に、きちんと認識することができていません。「こんなことでミスをしたら先輩に怒られるかもしれない」「もしも失敗したら、会社に損害を与えてしまうかもしれない」といった恐怖心や不安によって、かえって集中力が落ち、現実を見る目を曇らせてしまう。これは、仕事でミスが生じる大きな要因の1つです。

100メートル走の選手が走るときに、「右足を前に出すときには、左手を前に大きく振って……」といったことを意識することは、(おそらく)ありません。もちろん、日頃の練習時には歩幅や体幹の保ち方などを細かく研究するだろうと思いますが、本番ではもっと全体の流れやバランスを重視して、細部にはこだわらないのではないでしょうか。

仕事も同じです。細かなところにこだわりすぎるのではなく、全体を大きな流れで捉え、リズミカルに作業し行動しているときこそが、思考にも偏りがなく、高いハイパフォーマンスを発揮できるときなのです。

ルーティンワークが「評判」につながる

ルーティンワークは、直接的に成果が上がるものではないし、先輩や上司からすぐに認められることはありません。ただ、こういうルーティンワークを積み上げることで生じる仕事のムラのなさや、判断力の確かさ、日常の感情の安定感は、必ず周囲の人たちに気づかれるところとなります。

「キャリアが短いのに、あいつは仕事のことをよく理解している。時々仕事について口にする言葉が的を外していない。会議では自分なりに多角的に考えて言葉を発している……」

別に華々しい活躍をしなくても、そういうことの積み重ねが、先輩や上司からの信用となり、それがだんだんと社内全体で「あいつはちゃんとしている」という「評判」につながっていくのです。

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