ビットコイン、サイバー攻撃で弱点が浮き彫り

仮想通貨のリスク

2月12日、大規模なサイバー攻撃で引き出し停止を余儀なくされた一件について、専門家はビットコインのようなデジタル通貨を現金と交換する際に発生し得る危険が浮き彫りになったと指摘。1月撮影(2014年 ロイター/Jim Urquhart)

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 仮想通貨ビットコインの取引所が今週正体不明のハッカーから大規模なサイバー攻撃を受け、引き出し停止を余儀なくされた一件について、専門家はビットコインのようなデジタル通貨を現金と交換する際のリスクが浮き彫りになったと指摘する。

今回の襲撃は専門的にはDDoS攻撃(大量のコンピューターから特定のサーバーに大量の情報を送って通信路の機能を停止させる)として知られる。実体のない取引が大量に押し寄せるなどして、少なくとも3カ所のオンライン取引所が、どの取引が本物かを見極めるまでビットコインの引き出しを停止せざるを得なくなった。

10日に東京の大手取引所Mt・Gox(マウントゴックス)が引き出しの無期限停止を発表した後、11日にはスロベニアにある取引所ビットスタンプも引き出しを停止。アントノポロス氏によるとブルガリアのビットコイン取引所も引き出しを止めた。

ウェブサイトのコインデスクによると、ビットコインの価格も先月末の850ドルが今月12日には656ドルに下げ、下落率は2%近くに達した。

今回の一件で、製作者がはっきりしないソフトウエアコードに基づいて運営されるビットコインも他のネットビジネスと同様に、この種の攻撃にもろいことが明らかになった。ドルなど普通の通貨に比べて保有や取引に伴うリスクは大きい。

ビットコインの普及促進団体「ビットコイン・ファンデーション」の取締役を務めるベンチャーキャピタリスト、ミッキー・マルカ氏は「まだ幼年期の実験的なプロトコルの段階だ」と指摘。「時間を掛けて成長、成熟する。損失が出ると耐えられない額を投資すべきではない」と述べた。

ビットコインの利用者向け情報提供サイト、ブロックチェーン・ドット・インフォのチーフセキュリティー・オフィサー、アンドレアス・アントノポロス氏によると、ビットコインが攻撃を受けたのは今週が初めてではない。

ビットコインの中核的プログラマーの1人で緊急対応チームのメンバーでもある同氏によると、対策は来週半ばまでには完了するはずだという。

ビットコインは中央銀行、企業、政府などいかなる機関の支配も受けず、裏付けとなる資産を持たない。知名度の高まりとともに価格が大きく動き、昨年9月末の150ドル近辺から12月末には1000ドル近くに上昇した。

各国規制当局はビットコインの分類に頭を悩ませている。アセットクラスと呼びたい者もいれば、コモディティだとの声もある。利用者は通貨と呼び、コストが高くて時間が掛かる銀行取引で生じる問題の解決につながるとして大衆への普及を提唱する。

初期の利用者はビットコインのもたらす匿名性も気に入っていた。ビットコインは個人を特定する情報をやり取りすることなく交換可能だからだ。

ただ多くの規制当局が資金洗浄目的の利用者を追跡し、取引を規制しようとしており、取引時の匿名性はすぐに薄れるかもしれない。

クレブスオンセキュリティー・ドット・コムを運営するサイバーセキュリティの専門家、ジェーソン・シャーフマン氏は「サイバースペースで活動する者はだれであろうと攻撃への備えを講じた方がよい。攻撃はいつか必ず起きるからだ」と述べた。

またこうした攻撃のリスクを小さくする手法の1つとして、ビットコインの保有をオンライン上の複数の保管場所に分散することを挙げた。こうすればどこかが攻撃を受けても他の保管場所は無事かもしれないという。

(Emily Flitter記者)

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