どぶろっくの「歌ネタ」圧倒的に笑える仕掛け 「大胆な下ネタ」「繊細な構成」が常識を覆した

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そんな中で優勝を果たしたのは、歌ネタ芸人のどぶろっくだった。彼らは決勝の舞台で、下ネタ全開のミュージカル風のコントを披露して爆笑をさらった。

準決勝の会場では、ほかのどの芸人よりも彼らが圧倒的にウケていた。準決勝を一通り見終わった後、私が思ったのは「どぶろっくは決勝にさえ行ければぶっちぎりで優勝するだろう」ということだった。彼らのネタが決勝でも空気をつかんでウケるだろうというのは容易に想像できた。唯一の気がかりは、そもそもあのネタで決勝に行けるのだろうか、ということだった。

何でもありのライブと違って、さまざまな制約のあるテレビではきつい下ネタは放送できない。どぶろっくのネタがゴールデンタイムのテレビで放送できるものなのか、私には判断がつかなかった。

結局、彼らは決勝に進み、そのまま順当に優勝を果たした。ほかの芸人にとっては決勝が一世一代の大勝負になるのだが、彼らにとっては準決勝が最大の難関だったわけだ。

「歌ネタの弱点」克服したどぶろっく

これまでの「キングオブコント」では「歌ネタ(リズムネタ)は優勝できない」というセオリーがあった。2700の「キリンスマッシュ」、バンビーノの「ダンソン」、にゃんこスターの「リズム縄跳び」など、過去の決勝では独創的な歌ネタが爆発的にウケることがあった。だが、それらのネタを演じた芸人たちはいずれも優勝を逃している。

歌ネタは一撃の破壊力に優れているのだが、決勝では2本ネタを披露する必要があるため、2本目で飽きられてしまいやすい。だが、歌ネタで決勝に臨んだどぶろっくは、その弱点も巧みに克服していた。

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