1日5時間勤務、全日空ママのキャリア観 45人の部下を持つ管理職から、超時短へ

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土日も、休みが回ってくるのは1カ月半に1回程度。そのため、その間の子どもの世話は、土日が休日のご主人任せだ。

「息子はもう3歳なので遊ぶのは体力勝負。かといって思い切り遊ばせないと昼寝しないので、多分、夫はヘトヘトだと思います。それでも夫は、『子どもと遊ぶのは楽しい』と、近くの公園に行ったり、息子を動物園に連れて行ったりしてくれます。私が仕事から帰ると、2人はもう疲れて眠りこけていますよ」

その後、2人のために慌てて食事の準備をするのがいつものパターンなのだとか。

もっとも、5時間あるいは6時間勤務だと、家を薄暗い頃に出る早朝勤務がほとんどだが、午後一番には仕事が終わるのが魅力だ。だから、仕事が終わるとまず一目散に家に帰り、掃除、洗濯、そして夕飯の支度までした後に、子どもを保育園に迎えにいける余裕がある。

「とはいえ、息子を保育園に預けたばかりの頃は、泣いてばかりいるという報告を受けたり、家に帰ってもやることがいっぱいあるしで、慣れるまでの1年は精神的にも肉体的にも大変でした。ただ、そんな生活も1年が経つと、息子も保育園にも慣れ、病気による保育園からの呼び出しも1回あった程度で、ほっとしましたね」

一度だけ息子さんが病気になったときは、山形にいる田澤さんのお母さんやご主人のお母さんが上京し、住み込みで育児を手伝ってくれたそうだ。

かつての部下に仕える…という選択

一方、田澤さんは、会社も復帰するに際し、惜しみなく支援をしてくれたと、感謝している。

「復帰直後は、かつての後輩だった上司が4日間、私に付ききりでOJTをしてくれました。それでも、自分でも驚いたことに、2年のブランクがあると、それまでは当たり前のように言えていた『いつもご利用いただき、ありがとうございます』だとか『本日は窓側のお席でよろしいでしょうか?』といったお客さまへのお声掛けがスンナリ言えなくなっていました。頭では言いたいのに口から言葉が出て来ず、モゴモゴしてしまうのです。お客様はきっと、『随分年がいった新入社員だな』と思われたと思います(笑)」

会社は田澤さんが子どもを産む前に取っていたカウンター責任者などの資格を取り戻すため、OJTとテストを受けさせてくれ、更新してくれた。そのことにも、感謝しているそうだ。

もっとも、田澤さんは時短勤務を取得している関係もあり、今はかつてのGTCという地位にはいない。今は、「6つ下の後輩が上司。同僚も若い子ばかり」という環境だ。

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