1日5時間勤務、全日空ママのキャリア観 45人の部下を持つ管理職から、超時短へ

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子どもを産んでも、もちろん大好きな仕事は続けるつもりでいた。しかし、冒頭で書いたとおり、田澤さんは産後、2つの壁にぶつかった。ひとつはお子さんの病気の問題。そして、保育園の入園問題だ。

前者の問題は、お子さんが手術を受けたことで、「今では健康になってくれて、本当によかった」と言うくらいだが、お子さんを預ける保育園の確保には手間取った。

「短時間勤務(時短)で復帰する予定だったので、それを正直に役所に伝えたところ、認可保育園は落ちてしまったんです。2年後、ようやく認証保育園に入れたのですが、2歳までしかいられません。ですから、今は勤務時間を増やして、点数を上げて、認可保育園への転園を目指しているところ」だと、今もなお「保育園問題」には悩まされ続ける。

それでも田澤さんは、職場復帰できたのは、会社に時短勤務の制度ができたおかげだと、しみじみと語る。

「私の同期入社の世代は、『寿退社』が常識でした」

それもそのはずで、グランドスタッフの仕事は、早朝の2時からの勤務なんてザラ。夜勤も土日勤務もたびたびだ。だから、両立は無理とあきらめた先達や同僚が多かったのだろう。

ところが、今は5時間勤務、6時間など勤務時間を任意で選べる時短制度が用意されている。だから、泣く泣くキャリアの継続をあきらめる同僚も減り、「今ではほとんどの同僚が出産しても復帰する」というから、制度導入の効用は大きい。

早朝、土日勤務を支える夫のサポート

とはいえ、田澤さんの話を聞くと、育児と仕事の両立はいくら時短を利用したとしても、「家族の協力」なしには難しいと感じずにはいられない。

田澤さんは復帰直後の2012年から4月から13年6月までの1年余り、「1日5時間勤務」の時短勤務を選択した。5時間勤務というと随分負担が軽くなる印象があるが、勤め先の羽田空港は今や24時間稼働する空港だけに、「9時5時」の仕事にはない両立の苦労がある。

「ANAは朝と深夜の便が多いのですが、私は育児の都合で深夜勤務はできません。だからシフトは、おのずと早朝になりがち。朝6時からの勤務の日も多々あります。なので、子どもを保育園に送るのはほぼ100%、旦那さんにやってもらっています」

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