「日本のエンジニア」が安く買い叩かれる大問題 「週休3日・年収1000万」採用ツイートが話題
「柔軟性を高めるために、当社では1人が複数の職務に携わる“兼務制”という制度を採用しています。私自身、会社の代表であると同時に、六本木にある商品補充拠点『プラネット』の1メンバーとして、客先へ商品を補充しに行くこともあるんですよ。
偉い人ほど『立場』に依存して、個人としての本質を見失ってしまいがちです。だから、立場や役割が変わっても『そのポジションで適切に振る舞えるのか』ということを定期的にチェックする。自らを振り返るきっかけにもなり、とても効果的な取り組みですよ」
定石を捨てる勇気と柔軟性を保つことが大事
もちろん、同社のような兼務制を取り入れている企業は少ない。しかし、オープンソース活動への参加や技術系の勉強会の主催など、社外にも目を向ければいくらでもチャンスはあると久保さんは言う。
「家庭内での役割だってそうです。会社では代表取締役として、最終的な決断を下す立場ですが、家の中では自分を、決定権のない『バイトリーダー』と位置づけて、日々、妻や子どもの意思を尊重し、日常のタスクを完遂することに心を砕いています(笑)。意識的に行動すれば、環境が変わっても、ちゃんと『目標達成のために正しく振る舞えるかどうか』を知ることができるんです」
自分を取り巻く環境が変わっているのに、振る舞いや考え方が変わらなかったとしたら、柔軟性が失われているサイン。注意が必要だ。
「何事も経験を積むと『これってこんなもんだよね』という定石ができがちです。定石は合理的な判断に有用ですが、一方でまったく新しい価値観が台頭したときには、太刀打ちできないというもろさも内包しています。ですから決断力を持つのと同じくらい、定石を捨てる勇気が必要。そのためにも柔軟性を保つことが大切なんです」
ビジネスの中でテクノロジーの果たす役割は重くなる一方だ。それにつれてエンジニアが求められる場面もますます増えていく。しかし、時代が変化しても活躍するためには、自ら変化し続けることが欠かせない。久保さんが投稿した一連のツイートの背後には、日本のエンジニアを取り巻く環境の変化や、これからのエンジニアが目指すべき指針が隠れていた。
〔取材・文/武田敏則(グレタケ) 撮影/河西ことみ(編集部)〕
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