「日本のエンジニア」が安く買い叩かれる大問題 「週休3日・年収1000万」採用ツイートが話題
慢性的なエンジニア不足のなか、今後エンジニア自身が自らの能力開発と評価に対してもっと敏感になれば、人材流動性が高まるだろう。そうなれば、彼らを適切に遇することができない企業からエンジニアが離れていくのは明らかだ。
「能力の高いエンジニアを自社につなぎ止めようと思ったら、企業はつねに従業員のポテンシャルやスキルを最大限発揮できる環境を、維持し続けなければなりません。評価する側・される側にもある種の緊張感が問われますが、質の高いサービスを作り上げるには必要不可欠なことだと感じています」
“柔軟性”を鍛えるため、時には「バイトリーダー」に
久保さんが指摘するように、今が日本のエンジニアを取り巻く環境が変わるための過渡期だとすると、今後エンジニアは何を大切にしてキャリアを積むべきなのだろうか?
「最近はあまり聞かなくなりましたが、ついこの間まで『エンジニア35歳限界説』なる通説が幅を利かせていた時代がありました。『30代以降は開発よりマネジメントに携わるべき』というステレオタイプがある種の説得力を持っていて、実際に盲信する人も多かった。でも今は、エンジニアが目指すべきロールモデルは多様に存在しています」
開発経験を生かしてCTOやVPoEとしてマネジメントに携わる道がある一方、年齢にかかわらず、開発現場の一線でコードを書き続ける道も開けている。エンジニア自身が経営者としてビジネスを興すことも珍しくなくなった。技術はもちろん、エンジニアのキャリアも日々進化している。
「つまり、エンジニア自身があらゆる選択肢の中から、自由にキャリアを選べるようになりました。それとともに、これからのエンジニアには、『時代の変化に合わせて能力を高め、自分を変え続ける柔軟性』が必要になると感じます」
しかしエンジニアは、技術を選定し実装することが主な仕事。合理性や決断力が問われるあまり、柔軟性が失われがちだと久保さんは見ている。