「日本のエンジニア」が安く買い叩かれる大問題 「週休3日・年収1000万」採用ツイートが話題
「すでにエンジニアを中心に、30人ほどの方とお会いしたところ、採用できる人数が限られているのが申し訳なくなるほど、どの方も能力が高くて人柄も申し分ない人たちばかりでした。応募全体で見ると、応募者の年齢は、インターン希望の大学生から50代のベテランまで幅広く、また、女性からの応募が4割を占めていて、ほかの求人媒体とは違い広い層にリーチできたと感じます。
当初は軽い気持ちの応募が多いと予想していましたが、皆さんツイートを見た後にしっかり募集要項を読み込んでくださっていて、“真剣に”転職先候補として考えてくださっている印象を受けました」
日本のエンジニアを取り巻く環境は“過渡期”である
とはいえ、反響が大きかった割に、エンジニアの応募は全体の2割、70人ほどしかいなかったというのは少ないように思えてならない。しかし久保さんは「これだけでもかなりすごい数」だと評価する。その理由は次のツイートを見ればわかるだろう。
「当社が求めるエンジニアは、実務レベルの能力が高いこともさることながら、数学やコンピューターサイエンスの素養をお持ちの方です。
日本で採用するとなると、それだけでも条件は厳しいのですが、さらに当社が掲げる6つのバリュー(左記ツイート参照)にフィットしているかも問うので、採用候補の母数は決して多くありません。ですから応募者のうちの半分でも、1/3でも選考基準を満たしている方に出会えるのであれば、決して少なくないと思っています」
加えて久保さんがツイートにあえて「下限年収1000万」と書き添えた理由には、「エンジニアの能力と報酬について、議論が巻き起こればいい」という思いもあったと明かす。
「世界的に見ても、日本のエンジニアの年収は決して高くありません。日本企業では経験の浅いエンジニアと、トップクラスのスキルを持つエンジニアが一緒くたのように扱われているケースが目立ちます。
本来、コンピューターサイエンスの素養を持ち、経営のあるべき姿を理解して、ビジネスインパクトの高い仕事ができるエンジニアは、そうでないエンジニアに比べて5倍以上の報酬を得たとしても不思議ではないはず。ですが、日本ではそこまでの差がついていないのが現状です。
もしそれが、日本から世界を変えるようなサービスが生まれない状況の一因だとしたら、変えるべきなのは言うまでもないでしょう。事実、能力と報酬の関係に不満やギャップを感じているエンジニアは増えてきています。
一方で、日本でもテックカンパニーを中心に、『優れたエンジニアには高い報酬で遇すべきだ』という流れができつつあり、今はちょうどその過渡期。だからこそ、あのツイートが多くの人の心に刺さったのではないでしょうか」