シンクタンクこそ女性の力をもっと活かせる訳 政策起業力持つ人材を育てなければならない

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船橋:今井さんがいらしたシンクタンクは日本では数少ない独立系で、今井さんは理事としてその中心におられたわけですが、シンクタンクの使命とか役割、原点といったことについて、議論はされていたのですか。

シンクタンクの旗

今井:今、日本のシンクタンクの役割として、政策コミュニティのみなさんがほぼ一致しているのは、日本が直面している課題は少子高齢化であり、人口増が前提だった高度成長を追い求める世の中の仕組みを変えて、少しの人数でみんなが幸せになれる新しい仕組みと、それに移行していく方法を考えよう、ということではないでしょうか。

それぞれのシンクタンクの原点とか「らしさ」、DNAのようなのものは、その移行のための方策、つまり政策研究や提言の中に現れてくるのだと思います。

それには「独立」思考はとても重要ですが、これが意外と難しい。賛否両論を載せて中立・中庸を説くのでは政策として意味がないわけで、必ずどこかでポジションを取っていかなくてはなりませんが、旗幟鮮明を取れば、リスクも伴うということで。

船橋:そりゃそうだ。

今井:明確に旗を掲げないまでも、例えば、アメリカのブルッキングズ研究所のようなDNAがありますねとか、ヘリテージ財団のようなDNAがありますねとか、そのような伝統なり風土のようなものは、何十年もかかって自然とできるものですから、そこは諦めずに政策研究を繰り返して、「らしさ」を蓄積していくしかないのだろうと思います。

船橋:確かに、政策に政治的中立はありえませんね。独立系のシンクタンクの苦悩がよくわかりました。本日はありがとうございました。

船橋 洋一 アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長

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ふなばし よういち / Yoichi Funabashi

1944年北京生まれ。東京大学教養学部卒業。1968年朝日新聞社入社。北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長、コラムニストを経て、2007年~2010年12月朝日新聞社主筆。現在は、現代日本が抱えるさまざまな問題をグローバルな文脈の中で分析し提言を続けるシンクタンクである財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブの理事長。現代史の現場を鳥瞰する視点で描く数々のノンフィクションをものしているジャーナリストでもある。主な作品に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した『カウントダウン・メルトダウン』(2013年 文藝春秋)『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン』(2006年 朝日新聞社) など。

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