シンクタンクの裏側は地道な業務の積み重ねだ

プログラムオフィサーの編集力が支えている

昭和女子大教授の今井章子氏(左)と船橋洋一氏が、日本のシンクタンクの裏側について対談します(撮影:尾形文繁)
シンクタンク・パワーと政策起業力のフロンティアと日本の課題を、シンクタンクや大学、NPOの政策コミュニティーの現場で活躍している第一線の政策起業家たちと議論する本連載。
連載12回目は昭和女子大教授の今井章子氏との対談前編をお届けする。今井氏は日本を代表する独立系シンクタンクの1つ、東京財団(現同政策研究所)の元常務理事兼研究員。シンクタンクの中核で働いた経験から、シンクタンクの実情や役割について、ホストの船橋氏と語り合った。

アメリカで見た超一流専門家たちの議論

船橋洋一(以下、船橋):今日は、シンクタンクの実情についてじっくりお伺いしたいと思っています。今井さんとは、東京財団にお勤めだった頃、お仕事をご一緒させていただいたことがありました。非常に強く印象に残っています。2010年で、確か、今井さんが企画したプログラムでしたね。

今井章子(以下、今井):その節はお世話になりました。CNAS(The Center for a New American Security。ワシントンを拠点とし、安全保障に特化したシンクタンク。オバマ政権で国務次官補を務めたカート・キャンベルらが創設)と共同で、どのようにして新しい国際秩序を構築していくかを構想するプログラムでした。

船橋:お声掛けくださりありがとうございました。自分でやりながら申し訳ないのですが、あのプログラムはどういういきさつで生まれたのでしたっけ?

今井:私の記憶では、船橋先生が最初に理事長に構想をお話しされたのがきっかけでした。

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船橋:そうでしたかね。それにしても、あっというまに実現にこぎつけましたよね。

今井:今もそうだと思いますが、当時、年度初めに決定される研究予算のほかに、年度途中であっても、必要と思われる政策課題に柔軟に対応するための予算がありました。それを使ったのではなかったかと記憶しています。

私はハーバードのケネディスクール(ハーバード大学の公共政策大学院)留学時代に、アメリカの知的空間というか、超一流の専門家が集まって議論する場がどのように作られているのかを垣間見た経験があったので、そのような場を日本でも作れたらすばらしいと常々思いながら仕事をしていました。

当時、私は広報ディレクターとして政策提言の普及を主に担当しており、とくに日本に関わる政策の英語発信に力を入れていました。日米間のプロジェクトだったこともあって私が担当することになったように思います。

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