もちろんこれは強い相関関係があるだけであってそこに因果はありません。「傘が売れる」ことと「長雨が続く」こととは相関関係にありますが、「傘が売れると雨が降る」とは言えないのと同じです。とはいえ、この相関は日本に限らず、全世界的にそうです。
縄文時代は1人で8人ほどの子を産んだ
歴史人口学の第一人者でもある鬼頭宏先生との対談で伺った話によれば、縄文時代の女性は1人で8人ほどの子どもを産んでいたそうです。ですが、縄文時代の女性の0歳時平均寿命は、わずか15歳に満たなかったといわれています。
不思議ですね。妊娠期間は縄文時代も今も変わらないのに、15年の寿命で8人の子はとても産めません。平均寿命という指標は、その年齢で平均的に死亡していることを表すものではないからです。平均寿命は乳児死亡率が高ければ高いほどそれだけ下がります。
縄文時代は、8人の子を生んだとしても、乳児時点でその多くは亡くなってしまいました。15歳まで生きぬくことができた子どもというのは約半数程度といわれています。平均寿命は、早逝してしまった子どもたちも合算平均するので、15歳になるのです。
よって、縄文時代の平均寿命が15歳だったからといって、必ずしも全員が15歳で死んだわけではありません。ちなみに、縄文時代の15歳時点での平均余命は約16年です。15歳まで生き延びた人は、大体31歳まで生きたということになります。
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