日本だけでない「世界的な人口減少」は不可避だ 「人口・出生率・死亡率」の深い関係を分析

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2015年時点で世界の人口は約74億人です。2100年には、国連のMEDIUM推計で109億人になると言われていますが、これはかなり楽観的な見通しです。LOW推計での73億人が妥当だと個人的には思います。アフリカ以外、すべての国の人口は減少するでしょう。

1950年、2015年、2100年推計(国連WPPのLOW推計より)それぞれにおける各国の位置をプロットしたものがこちらです。1950年(青)→2015年(黄)→2100年(赤)というように、世界の国々が一塊となって「少産多死」のステージに移行する様子が見て取れることと思います。

多産多死のステージに戻る?

ちなみに、「少産多死」以降はまた「多産多死」のステージに戻るわけではありません。かといって、このまま「少産多死」が続いて、地球上から人間が消滅することもないでしょう。「少産多死」ステージで、ある程度の規模の人口の入れ替えが完了した時点で、人口ピラミッドも補正され、やがて人口が増えもせず減りもしないという静止人口に落ち着くことになると思われます。

今後、日本を含む国単位で婚姻数や出生率が多少改善されたところで、この大きな人口構造変化の流れを止められるものではありません。少なくとも現在は世界的に「人口減少不可避のステージ」に突入しつつあるという現実を直視し、そういう人口転換メカニズムを前提とした適応戦略を考えないといけないフェーズに、私たちは来ているのではないでしょうか。

荒川 和久 独身研究家、コラムニスト

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あらかわ かずひさ / Kazuhisa Arakawa

ソロ社会および独身男女の行動や消費を研究する独身生活者研究の第一人者として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・Webメディアなどに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』(小学館新書)、『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』(ぱる出版)、『「一人で生きる」が当たり前になる社会』(ディスカヴァー携書)(ディスカヴァー携書)、『結婚滅亡』(あさ出版)、『ソロエコノミーの襲来』(ワニブックスPLUS新書)、『超ソロ社会』(PHP新書)、がある。

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