今さら説明の必要はないかもしれないが、GAFAとはわれわれの日常生活に大きな影響を与えている巨大プラットフォーマーであるグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの頭文字をとったもの。
ギャロウェイは『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』において、国境を越えてパワーを持つ四騎士が、人々の「欲望」をどうつかみ、どうビジネスとしているのかを問題提起している。では、人々にとってGAFAはどのような存在になっており、なぜ、これほどまでに成長したのだろうか? この問いに対して彼は次のように答えている。
祈りとは、すなわち「問いかけ」。かつて、子どもが病気になったら神に祈っていた私たちは今、同じ状況下でグーグルの検索ボックスに「扁桃腺、症状、治療法」と入力している。つまりそれは、祈りと同じ行為だということだ。
神、愛、消費、セックス
言われてみれば確かにグーグルは、ユーザーが結婚を考えていることも、離婚を意識しはじめていることも、悩みの原因も知っている。そのうえで、「問い」に答えてくれるのだ。その影響力は牧師や神父、友人や家族、上司よりも信頼に値するからこそ、グーグルは神なのだと著者は考えるのである。
続いて、フェイスブックは愛だという発想。ここでまず前提になるのは、人間は愛なしでは生きられず、愛は人と人とのつながりの中で生まれるものだという事実である。そんな中フェイスブックは、人々のそれなりの関係を促し、つながりを強くしてくれる。だから、フェイスブックは愛への欲求に訴えかけているという考え方だ。
次に、消費について。人間にとって最も深刻な問題は飢えであり、飢えをしのぐにはより多くの食料を蓄える必要がある。そのため人間の脳には、「もっともっと」という欲求が刷り込まれている。つねに、より多くを所有しなければならないという強迫観念に縛られているわけだ。
「安価な商品を多く提供する」ビジネス戦略が有効なのも、そんな理由があるから。そして、ウォルマートやユニクロ以上に、その戦略で成功しているのがアマゾンなのである。
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