ラグビー元日本代表2人が語る「観戦の超極意」 初心者も"3つのルール"を知れば楽しめる

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――では、次に試合でポイントとなるプレーと、その観方について教えてください。

「ボール争奪戦『ブレイクダウン』はポイントとなる」と話す大西将太郎さん(撮影:今井康一)(撮影:今井康一)

大西:まず、ボール争奪戦である「ブレイクダウン」はポイントとなると思う。

廣瀬:観方としては、先ほどの原則と重なるのですが、立ってプレーしているかどうか。あとはブレイクダウンからボールが出るまでの時間ですね。攻撃側はなるべくブレイクダウンからボールを早く出したい、ディフェンスはなるべくそれを遅らせてその間に陣形を整えたい。そんなせめぎあいがあるんです。

大西:ブレイクダウンに自分が応援するチームの選手が何人入っていて、相手チームの選手が何人入っているのか。人数の視点で観るのも面白い。ブレイクダウンに攻撃側の自チームのジャージが3人見えるのに、相手のジャージがゼロだったらディフェンスがズラッとそろっていて、ディフェンス優勢の状態だとわかったり。

廣瀬:ブレイクダウンのほかには、スクラムやラインアウトといった「セットプレー」もポイントですよね。

セットプレーからの攻撃は練習成果を発揮できる部分

大西:うん、セットプレーからの攻撃っていちばん練習の成果を発揮できる部分。スクラムをこう組んで、ラインアウトはこう捕って、ボールをこう運んで、こういう攻撃をしましょう、という組み立てができる。

「セットプレーの観方としては、スクラムだったら角度に注目するといいと思います」と語る廣瀬俊朗さん(撮影:今井康一)

でもそもそもセットプレーでボールが確保できなければ、その準備してきたことがすべて乱れて、崩れていく。攻撃の基盤で重要なプレー。

廣瀬:セットプレーの観方としては、スクラムだったら角度に注目するといいと思います。まっすぐ組みたいときもあるし、3番側(右プロップ。スクラム最前列右端の選手)に前に出てもらいたいときもある。

例えばフィールドの左側でスクラムが組まれて、右側に8-9(ナンバーエイトが持ち出し、スクラムハーフにパスする連携プレー)で攻めたい。そんなときは3番にワンプッシュして角度をつけてもらって、スクラムにいる相手フォワードのフランカーの選手がディフェンスに参加できないようにして攻めるんです。

大西:まあ「角度をつけてもらって」って、僕らバックスはフォワードの選手に簡単に要求してしまうけど、本当はすごく大変なことというのは言っておきたい。で、スクラムが出た側に注目すれば攻める方向が予測できるかと言えばそんな単純な話じゃない。相手のスクラムハーフのポジショニングなどをみて、3番が前に出たスクラムでもウラをかいて左を攻める場合もある。

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