ラグビー元日本代表2人が語る「観戦の超極意」 初心者も"3つのルール"を知れば楽しめる

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――そうした駆け引きがあるとは知りませんでした。

『ラグビーは3つのルールで熱狂できる』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

大西:だから、バックスの選手は相手の顔ばっかり見ていますよ。僕も現役時代、トシがいた東芝と試合をするときはトシの顔を見て、どういう言葉を発しているのか、何のサインを出しているのか観察していた。東芝のサイン名も覚えていた。

廣瀬:僕も対面の選手の顔は見ていました。どこを見ているのか。誰としゃべっているのか。9番(スクラムハーフ)と10番(スタンドオフ)は何をしゃべっているんだろう、あっ、12番(センター)がこちょこちょしゃべっているなとか。

トシは現役時代に「浜畑」の片鱗をのぞかせていた

大西:でもね、トシのことを言わせてもらえば、現役時代から演技が上手だったよ。顔を見て「こう攻めたいのかな」と予想すれば裏をつかれる。その頃から「浜畑」(ドラマ『ノーサイドゲーム』で廣瀬氏が演じた役名)だった。

『ラグビー知的観戦のすすめ』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

廣瀬:それが言いたかっただけでしょ(笑)。

大西:いやいや。そういう手もあったか、ここで蹴ってくるんだと。よう見てるなあと、感心することが多かった。

廣瀬:まあ、とにかくラグビーは試合中、目も耳も全部使いますね。

大西:こうした細かい駆け引きが試合中に行われているわけですが、なかなか初心者の方がそこに注目して観戦するのは現実的ではないかもしれない。だから僕は最近「2段階観戦」をおすすめしています。

まず、できれば生観戦をしてもらって、自分の感性のままスタジアムと試合の雰囲気を楽しむ。これはパブリックビューイングでもいいかもしれません。そして家に帰って、録画した解説付きの試合映像をもう1度見直す。ここで、今日お話したような細かい点も頭に入れて観てもらえたら楽しめると思います。

大西 将太郎 元日本ラグビー日本代表

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おおにし しょうたろう / Shotaro Onishi

地元東大阪市の布施ラグビースクールでラグビーを始め、啓光学園高3年で全国高校大会準優勝。高校日本代表では主将を務め、スコットランド遠征全勝の快挙を達成。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)は通算143試合に出場。2007〜2008シーズンは「ベスト15」「得点王」「ベストキッカー賞」の3冠に輝く。日本代表には同志社大4年時(2000年)に初選出、以降、2008年のサモア戦まで通算33キャップ(試合)に出場。2016年現役引退。現在はJSPORTSやWOWOWのラグビー解説者として、また2019年ラグビーワールドカップの認知活動および、ラグビーの普及活動のため全国をまわっている。

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廣瀬 俊朗 元日本ラグビー日本代表

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ひろせ としあき / Toshiaki Hirose

1981年、大阪府生まれ。ラグビーワールドカップ2019公式アンバサダー。スクラムユニゾン発起人。5歳のときにラグビーを始め、北野高校、慶應義塾大学を経て、2004年に東芝入社。1999年度、U-19日本代表、高校日本代表、2007年より日本代表。2012年から2013年まで日本代表のキャプテンを務める。2015年W杯では日本代表史上初の同大会3勝に貢献。通算キャップ28。ポジションはスタンドオフ、ウイング。

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