「できる事しかやらない部下」を覚醒させる方法 「コンフォートゾーン」から脱出させるには

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そのために1つ、いい対策法があります。半年かけて“自己効力感の種”を植えることです。

自己効力感とは、「自分ならうまくやれる」と思える感覚のことで、「セルフエフィカシー」とも呼ばれる心理作用のことです。これを高めることで、挑戦や失敗を恐れないマインドを醸成することができるのです。

実は、自己効力感は、日々のちょっとしたアプローチで高めることができます。

ここでは、自己効力感を高める方法を3つ紹介しましょう。

①小さな成功体験を積ませる
②上司からポジティブなフィードバックをする
③ できれば、積極的な人が多いチームに配属する(もしくは、一緒に仕事をしてもらう)

では、具体的に説明しましょう。

コンフォートゾーンから脱出させる

まず、やるべきことは、彼らに仕事を任せ、小さな成功体験を積ませることで、「コンフォートゾーン」から脱出させることです。

「コンフォートゾーン」とは、人材育成の現場で使われる言葉で、「これまでと同じやり方で行える、不安のない快適な仕事」のことを指します。ミスなく簡単にできますが、自己成長にはつながりません。

挑戦やミスを恐れる人は、コンフォートゾーンから出ようとしません。これには理由があります。

それは、彼らがコンフォートゾーンの外には「パニックゾーン」があると思っているからです。

「パニックゾーン」とは、自分の能力をはるかに超えたレベルが要求される、難しい仕事のこと。まったく歯が立たず、失敗することがわかりきっている仕事に挑戦する気にはなれませんよね。

しかし、実際には「コンフォートゾーン」と「パニックゾーン」の間には、「ラーニングゾーン」という仕事があります。「ラーニングゾーン」とは、「これまで経験したことのない新しいチャレンジングな経験をするところ」という意味です。

ラーニングゾーンの仕事は、パニックゾーンの仕事と違い、負荷はかかりますが、達成可能なレベルです。新たな仕事に挑戦することで、成長を実感することができます。

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