「できる事しかやらない部下」を覚醒させる方法 「コンフォートゾーン」から脱出させるには

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ミスや挑戦を恐れる部下をコンフォートゾーンから脱出させるには、あなたの業務を少しずつ任せ、小さな成功体験を積ませ、成長できる喜びを体験してもらうことが有効です。

こうすることで、コンフォートゾーンとパニックゾーンの間に、ラーニングゾーンがあることを意識させるのです。

(図)『メンバーが勝手に動く最高のチームをつくる プレイングマネジャーの基本 』より

そして、たとえ80点だったとしてもポジティブなフィードバックをします。「できたこと」「得られたこと」を具体的に伝えるのです。

できなかった20点については、「伸びしろ」であると伝えましょう。こうやって、コンフォートゾーンの外に、成長の喜びがあることを教えれば、徐々に自己効力感が上がっていくのです。

人は環境で変わる

もう1つ、自己効力感を高めるための方法があります。積極的な人と一緒に仕事をしてもらうことです。

「人は環境で変わる」からです。

「5人の平均」という有名な法則があります。

これは、セールスマンから、一流企業のコンサルタントとなり、31歳で億万長者になったアメリカの起業家、ジム・ローンが提唱した、「今の自分は、最も多くの時間をともに過ごしている5人の平均である」というもの。

あなたも、思い当たることはありませんか。ビジネスの現場にかぎらず、つき合う人を変えたら、それがきっかけになって考え方が変わったということは少なくありません。

チームを決める、プロジェクトを発動するといったタイミングで、ミスや挑戦を恐れる部下を、積極的な人のいるフィールドに放つことを考えてみましょう。「自分もこのくらいならできるかも」「たとえ失敗しても大けがすることはない」。こう思える環境に身を置いてもらうのです。

これも、部下の自己効力感を引き上げるために、プレイングマネジャーが知っておきたい効果的なマネジメント手法です。

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