『経営参加への近道とは…』(30歳男性)

城繁幸の非エリートキャリア相談

<城繁幸氏の診断>

診断:『日本企業は“ご恩と奉公”』

 
 経歴を見るかぎり、素晴らしいキャリアをお持ちですね。なにが素晴らしいかというと、明確なキャリアデザインがなされている点、そして何より、それに向けて順調にキャリアを経験されている点です。今のところ、あなたの持つパスポートは、順調に目的地までの旅を保証してくれそうです。

 唯一ネックがあるとすれば、それは「年功序列型組織との相性」という点です。実は日米でのポストに対する概念、及びそこまでのキャリアパスは、根本的に別物なのです。

 アメリカ(というか日本以外)では職務給がスタンダードであり、このシステムでは「本人が果たせる役割に応じて序列及び報酬を決める」というものです。当然、同じ「マネージャー」であっても、成果が上げられなければ降格もありえますし、勤続年数などは重要視されません。必要とあらば、外部からヘッドハンティングして事業を任せるわけです。

 一方、日本企業は職能給が一般的です。こちらは「勤続年数で基本給を決める」というシステムであり、年功序列のバックボーンです。このタイプの組織では、ポストは年功、つまり「勤続年数と一定の成果の積み重ね」によって与えられるご褒美です。だから少々下手を打ったからといって降格はないですし、逆にいえば、どんなに優秀でも、若い人間の抜擢はないわけです。よく日本企業の経営陣は無責任だの、老人ばかりだの言われるのは、こういう背景があるんですね。

 ここで問題となるのは、この手の組織には「組織への実績の無い外部の人間に対し、ポストを与えるカルチャーがない」という点です。彼らにとって、ポストとはご褒美なのですから、功のないよそ者にはやるな、という発想なわけです。「日本企業はアカデミックな部分を評価しない」というご指摘は、まさにそのとおりです。

 そういう意味でいえば、あなたのキャリアは、ターニングポイントを迎えていると言えるかもしれません。

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