『経営参加への近道とは…』(30歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談

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処方箋:『資格を取るか、功をたてるか』

 まず(1)について。1年間の就学は、中長期で見れば特に問題ありません(職務給型の組織ならなおさら)。またCPAに対するニーズは日本企業においても根強いものがあり、ここで取っておいて損はないでしょう。

 問題は(2)です。経理自体は、これまで間接部門での勤務経験があれば、それほどハードルは高くありません。

 ただ、逆に言えば、それだけ泥臭い作業中心だということです。おそらく、あなたが専門的に学ばれたこととは大きなギャップがあるはずです。もちろんそういった経験もプラスにはなるでしょう。ただ、今までの経歴からすれば、それはキャリアアップとは言いがたいはずです。

 ここからは、あなたの選択次第です。これまでのところ、あなたは組織のレールに頼らずにキャリア形成し、年齢以上の経験と資格を手にしています。このまま上記のような“職務給型企業”に活躍の場を求めるのであれば、迷わず(1)を選択すべきです。そう遠くない将来、国内の外資系企業もしくは新興企業の中で、それなりのポストを手に入れられるでしょう。

 ただ、あなたが最終的に“職能給型の日本企業”への就職を希望される場合、ご指摘のとおり、ここらで実務を積んでおくべきでしょう。泥臭くつまらない仕事であっても、将来のために功を積んでおくわけです。

 まあどちらにせよ、これだけキャリア意識の高い方なら、どうとでも修正は可能でしょう。そういう意味では、(1)の方が面白い経験ができそうですね。なんだか今日はエリートキャリア相談になってしまいましたが。

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