セブン銀「オワコンではない」新型ATMの勝算 地銀不振やキャッシュレスをどう乗り切るか
厳しい収益環境のもと、店舗や人員と並んで銀行の悩みの種となっているのがATM(現金自動出入機)だ。
クレジットカードやネットバンキングが普及し、顧客の利用頻度は減少。給料日にサラリーマンがATMに並ぶ姿を見ることもなくなりつつある。
それなのに、ATMにかかる年間の維持費は1台数百万円かかると言われている。9月には三菱UFJ銀行と三井住友銀行が店舗外ATMの共同利用を開始するなど、銀行界でATMは削減の方向に向かっている。
そんな中、ATMの新しい形を模索すべく、9月12日に新型ATM「ATM +」を発表したのがセブン銀行だ。
顔認証技術やスキャナーなど新機能を詰め込む
今回のATM開発でセブン銀行が手を組んだのが、これまでのATMも共同開発してきたNEC。その目玉が世界トップレベルの顔認証技術だ。来春から成田空港での搭乗手続きに採用されるほか、東京五輪の全会場で関係者の認証にも使われる。
このほか、本人確認書類をスキャンするスキャナーや2画面一体型のディスプレイなど、現金入出金以外のサービスにも対応できる機能を詰め込んだ。
セブン銀行の舟竹泰昭社長は「デジタル化やキャッシュレス化が進み、『ATMはオワコン』という声も聞こえてくる。しかし、ATMも進化する」と力強く語る。新型ATMは9月末から投入し、2024年までには全国のATMを置き換える予定だ。
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