セブン銀「オワコンではない」新型ATMの勝算 地銀不振やキャッシュレスをどう乗り切るか

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今後は、キャッシュレス化の影響も本格化してくる。コンビニATM分野にはライバルのローソン銀行も参入し、縮小するATM需要を奪い合う形になる。

1台あたりの利用件数の減少を補うように増えてきた設置台数も頭打ちになりつつある。これまで年間700〜1000台増ペースで設置してきたが、2019年度はセブン‐イレブンの出店ペースが鈍化したことで、350台増にとどまる。

ATMを活用した新たな収益柱を模索

こうした環境変化を受け、セブン銀行はATMを活用した新たな収益の柱を模索している。

2018年5月からはATMでの現金受取サービスを開始。銀行口座がなくても、必要な情報をATMに入力することで、企業から個人へ現金を送ることができる。具体的には給与の前払いや保険金の受け取りなどで利用が拡大している。

セブン銀行の舟竹社長(中央)は「ATMも進化する」と話す(撮影:大澤誠)

ただ、従来型のATMでは新しいサービスを展開するのにも限界がある。そこで登場したのが今回の新型ATMだ。10月から顔認証を活用したATMでの口座開設の実証実験を始めるほか、クーポンの配信やヘルスケアサービスの導入も検討している。

セブン銀行は2019年3月に奈良県の地銀である南都銀行の店舗外ATMの運営を広域受託した。舟竹社長は「銀行が個別に運営しているATMは非効率」とし、「ATMに付随するサービスを充実させることで、少しでも我々に任せてもらえるようになれば」と語り、今後ほかの地銀へ受託を拡大する意向だ。

最新の機能を搭載した新型ATMを活用してどのような新サービスを生み出すのか。セブン銀行の将来はこの新型ATMにかかっている。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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