実録!「連帯保証人」になってわかったMMTの本質 会社を畳んで考えた「貨幣とは負債である」

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財政赤字を恐れる必要はない。なぜなら、国家の赤字は、国民の資産なのであり、国民が現金化を望むならば、国家は貨幣をいくらでも創出できるからである。なんだか、今までのわが国の経済政策の議論はなんだったのかというような論旨だが、彼らの言い分には十分な根拠もあるし、実績もある。

アメリカの場合、これには前例がある。1930年代に、国家が先導して有効需要を創設したニュー・ディール政策がそれであり、その理論的な背景には、ケインズの革命的な経済理論があった。

日本において、このことを理解し、実践しようとしている政治家は、今のところ、ほとんど存在していないのだが、2019年に相次いで出版されたMMTの入門書、理論書によって様相が一変する可能性も出てきた。MMTは、これまでの主流派経済学者の論拠を、根底的に反転させてみせたのである。

20年続くデフレ対策として、黒田日銀は異次元の金融緩和政策を打ち出し、2%の物価上昇を皮切りに、デフレから脱却し、再び経済成長軌道を取り戻すと宣伝し、実際にその政策を断行したのだが、一向に物価は上がらず、ましてや実質労働賃金は下降、上がるのは官製相場になっている株価だけで、足元の経済はデフレのまま凍りついている。

今必要なのは財政政策を推し進めること

需要がなければ、銀行にいくらお金を積み込んだところで、誰も借り手にはならないのは当然なのだ。将来が不確実であればあるほど、人も企業も、投資や消費よりは、貨幣を通帳に積み上げることに熱心になる。

20年続いているデフレの原因は、供給過剰であり、総需要の減衰であるのは明らかだ。総需要を喚起できない金融緩和をいくら続けたところで資金は銀行に積み上がるだけで、物価も給与も上がらない。

今必要なのは、政府が最後の雇い主となって、財政政策を推し進めることだと、MMTは主張している。闇雲に財政支出を拡大せよというのではない。減税を断行し、社会共通資本分野、すなわちインフラ、医療、介護、教育の分野に積極的に投資する。

それによって需要を喚起し、本当の意味での雇用を改善する。何でも民営化、自己責任という新自由主義的な発想とは真逆の政策である。

MMTの貨幣論は、これまでの伝統的な貨幣論を反転させた。貨幣論が反転すれば、社会政策も転換される。MMTの紹介者であり、『MMT現代貨幣理論入門』の解説者でもある中野剛志が言うように、MMTは、天動説だった貨幣論に、地動説を吹き込んだといえるのかもしれない。

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