テスラ株が突然「紙屑扱い」され始めた理由

アメリカのマーケットに異変が起きている

マーケットの目は「米中貿易戦争」に集中しがち。だが長い目で見ると、アメリカの株式市場の異変に気づくはずだ(写真:ventdusud/iStock)

ドナルド・トランプ大統領の訪日から欧州議会選挙まで、さらにはイラン情勢もにらみながら、金融市場を取り巻く環境は目まぐるしい変化の中にある。だが整理すれば、今のところ主に市場を動かしているのは次の2点。大手メディアを中心に打ち出される米中貿易戦争の見出しと、FED(アメリカ連邦準備制度)の動向である。

「米中貿易協議」は、当面結論が出ない

まず、米中貿易戦争に関しては、相反する2つの見出しが交互に現れる。ファーウェイに対して「全面締め出し」という見出しが流れれば、翌日には「トランプ大統領はまだ最終決断はしていない」という見出しが流れる。

交渉は経済戦争の前線に立つUSTR(アメリカ通商代表部)のロバート・ライトハイザー代表と、「ディール妥結」を探るスティーブン・ムニューシン財務長官の2人が中心とされ、日本では日米交渉でも登場するライトハイザー氏のみ注目されるかもしれないが、ムニューシン氏は財務長官として民主党が追及する納税疑惑からトランプ大統領を守る立場にもある。つまり、トランプ大統領にとって2人は同等に重要なはずだ。

よって政権内で両者が両立している間は、米中貿易協議も今の状態が続くとみるべきだろう。ただし、トランプ大統領は関税では妥協しない可能性が高い。理由は、こちらは選挙戦略の理にかなっているからだ。リベラルメディアは「関税は有権者を痛めつけるだけだ」と攻撃する。だがトランプ大統領は、関税から得た税収は自分の選挙地盤で、中国の対抗処置の影響を受ける地域へ充てる公算が大きい(160億ドルの農家救済処置)。

当然、関税引き上げの影響を受ける大都市の反トランプの消費者は怒り心頭。だがこのあたりの差別化では、トランプ大統領の政策は徹底している。あのトランプ減税で中間層以上には結果的に増税となったニュージャージー州には、著名ヘッジファンドで日本円に換算すると年収3000億円をこえたデービッド・テッパー氏が住民票を置いていた。

テッパー氏は大統領選挙では反トランプを明言していたが、数百億円規模の地方税を払う可能性がある同氏はフロリダに移った。これでフロリダ州の税収は潤う。フロリダは大統領選挙で最重要州の1つである。

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