出口治明「死ぬときは自分の家で思い通りに」

人生「悔いなし、貯金なし」で終われば最高

健康を支えているのが、どうやら旺盛な食欲らしい。「大食い」と自覚している。

「さすがに昔に比べたら食べる量は少し減ったような気がします。あまり太るとスーツが着られなくなりますし。それでも若い人と一緒に食べていると『僕らよりよく食べますね』と言われます。

とくに好き嫌いはありませんが、相対的に何が好きかといったら、やはり肉ですね。

1948年生まれですから、小学校ではまだ給食で脱脂粉乳が出ていた時代です。僕はいつも給食当番をやっていました。給食を全部食べてもまだお腹が空くので、給食当番になって少しでも自分のところにたくさんよそおうという魂胆です。そういう育ちなので好き嫌いがないんですね。

たまのご馳走といえば肉でした。すき焼きとかステーキとか。それで肉が好きになったのだと思います。若いときは1キロ食べたりしていました。今でも400、500グラムぐらいは食べてもまったく平気です。

川の流れにどう適応するか

お酒は飲みますが、酒で憂さを晴らすということはないですね。飲まなくても憂さは晴らせますよ。

大きな会社にいたときは、訳のわからない上司もいたので、腹が立ったら気の合う友だちを連れて2時間ぐらいランチに行き、おいしいものを食べて上司の悪口を目いっぱい話してスッとして帰ったりしていました。腹にためておいたらろくなことがありません。上司に関してもおかしいことはおかしいとはっきり進言していました。

上司に誘われても、つまらない宴会は避けてきました。一緒にご飯を食べる人も飲む人も面白いかどうかだけで選んでいます。読む本もそうです。面白いかどうか、だけが僕の人生の価値基準なのです。

幸いなことに、日本生命に入って、29歳で上京してから43歳でロンドンに行くまでは、1年間日本興業銀行に出向した期間を除いては、ずっとMOF担(大蔵省=現・財務省担当)でした。

MOF担は比較的自由なポジションでしたので、社内で義理人情的な飲み会があっても『ちょっと〇〇の人と約束があります』と断れば誰も文句を言わないし、むしろ『ご苦労さん』とかいってくれました。

朝起きたときに『体が弱ってるな』とか『仕事に行くのが嫌やな』とか思ったらやめればいいだけの話ですから、そう思わない限りは働いていけばいいと思っています。

歴史を見ていると、人間はそれほど賢い動物ではないわけですから、自分で自分の人生を上手に設計したりはできないと思っています。事前に計画しても無理。いろんな出会いを大切に、川の流れのままに流れていくしかないと思っています。

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