自分ではわからない「自己流完璧主義者」の特徴 「俺のルールはみんなのルール」になっている
タイプ1の部下と上手に仕事をするためには、彼らの理想やこだわりを聞くことからスタートしよう。彼らは、その理想とこだわりが組織の方向性とズレている場合が多く、そのズレを彼らに理解させることに苦労しているリーダーも多いだろう。
タイプ1の部下から聞き取る際には、次のような具体的な質問を投げかけることが有効だ。
▼ それを達成するうえで、あなたが大切だと思う点(こだわり)はどんなことですか?
▼ 理想と現実に差があるように感じますが、いかがですか?
▼ 今のあなたのやり方を継続することで、組織が失うものは何ですか?
▼ 組織として優先しなければならないことは何ですか?
▼ 今のあなたのやり方を変えることで、組織が得られるものは何ですか?
部下が資料提出の締め切りを守らない場合、上記の質問を通して、「仕事の品質を高めること」と「それにかかるコストを考えること」、さらに「納期を守ること」の3つのバランスをとることが組織のゴールであること。個人のゴールのみを追求すれば、そのバランスが崩れてしまうこと。そして、仕事の納期を守らないとビジネスパーソンとしての信用も一気になくなることに気づかせてあげるとよいだろう。
自己流完璧主義上司との付き合い方
一方、つねに完璧を目指そうと無意識の欲求が働くタイプ1の上司への対応は、難易度が高いが、チームが目指すべきゴールを上司に思い出してもらうためにも、次のような質問をしてみるとよいだろう。
▼ そのゴールは、組織の方向性とどう関係しているのでしょうか?
▼ この仕事を進めるうえで、あなたが大切にしているポイント(こだわり)は何でしょうか?
▼ あらためて組織としての優先順位を考えると、どちらを優先しましょうか?
▼ 品質・コスト・納期のバランスはどうお考えでしょうか?
実際には、上司の気分を害することなく、部下から上司の指示を押し返すのは難しいもの。だが、当初立てた計画を思い出させたり、メンバーそれぞれの改善点を見つけたりして、現在、チームが目指すべきゴールを探っていくことで、上司も部下も双方が納得できるポイントが見えてくる。また、こうしたプロセス自体が、タイプ1の上司との関係改善のきっかけになるのである。
もし、あなた自身がタイプ1に当てはまるとしても、悲観することはない。なぜなら、自分自身の「マイナス面」に気づくことができれば、自分を客観視でき、性格を改善するアイデアが湧いてくるからだ。職場の人間関係の悪い状況を抜け出すためには、まず自分の短所に気づき、受け入れることが大切なのである。
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