(第24回)企業の採用意欲は依然旺盛 2010年度新卒採用の実態調査

●先走る不安心理、浮足立つ多くの学生は数多くの企業にエントリー

【図3】
 【図3】は、学生のエントリー数について聞いたものである。結果は現時点で「昨年より多い」が47.4%(204社)で、「少ない」の12.6%(54社)を大きく上回った。某大手就職情報会社の関係者によると、大手企業の場合、平均で昨年比160%程度のエントリー数上昇で、中堅・中小企業も軒並み2~3割はアップしているとのことだ。母集団形成自体に苦労した昨年と全く違う様相を示しているといえるが、全体のエントリー数が増えた分、中身の濃度や密度は希薄化しているといえる。
 合同セミナーなどのブースに来場する学生(グラフなし)も「昨年より多い」が33.9%(146社)で、「少ない」の7.6%(33社)を大きく上回り、プレエントリー数の増加に大きく貢献している。

【図4】
 このようなプレエントリー増加の背景には、マスコミ報道などで不安ばかりが増大する学生の心理状態【図4】があることは間違いない。学生に「経済状況悪化などの影響で企業の新卒採用活動が厳しくなっていると感じるか」という質問を投げかけたところ、「非常に感じる」が36.5%(504人)、「感じる」が30.8%(426人)、「少し感じる」が22.4%(310人)と、合計で約90%もの学生が厳しさを実感している。

 学生のコメントを一部紹介しよう。
・毎日のように新聞に内定取り消し、若しくは派遣切りに関する文章が載っているから。
・私自身が厳しいとは感じなくても、企業の人事の方やマスコミ、就活生の間で厳しいと言われると、厳しさを感じてしまう。
・学内のセミナーで「はっきり言って今年の就職活動は厳しい」と言われた。
・説明会で企業がしきりに「厳しい」や「きつい」「採用人数が減る」と言っていた。
・志望度の高かった某人材系企業から、今年度の採用活動を大幅に縮小する旨のメールが届いたときに厳しさを実感した。
・世間で騒がれているのでそうなのかなと感じる。しかし、まだ実際に面接などをしていないせいもあり、現実に実感は沸いていない。
・今年度初めて就職活動をする私たちが去年よりも厳しくなっているかどうかがわかるはずがない。ニュースなどを見て洗脳的に例年よりも厳しいと言わされている風潮があるように思えてしまう。
といったコメントが並ぶ。まだ面接本番前の状況で、周りから聞こえてくる声に不安を増大させ、それが多くのエントリー、セミナー参加に結びついているのだろう。

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