今回の調査も初調査同様に、相談役・顧問数は常勤・非常勤を区別した調査はしていない。よって、少なくとも上位にランキングした企業は常勤・非常勤の合計数を回答していると思われる。
また、制度の有無についてのコメントを見るに、相談役制度や、代表取締役や取締役が退任後、自動的に顧問に就任する制度はすでに廃止されたというものが目立つ。東芝の問題を受け、そのような措置をとった企業も少なくないだろう。その一方で、ヤマダ電機のように新たに制度を導入したと思われる企業や制度を変更して顧問を置いている企業もある。
相談役・顧問導入の意義をしっかりと説明できるか
今回の調査でも、制度の導入メリットについての回答を見ると、「国内外の幅広い人脈や高い見識、特定分野における高度な知識と経験を踏まえた会社へのアドバイス」を得られるなど、初調査時と同様に、相談役や顧問を置くことについてメリットを感じている企業は少なくないように思える。中には、「なるほど」と納得させられる回答も目にする。
願うことは、回答されたメリットの内容が模範解答の域を超えて、目で見える成果につながることである。またすでに成果が出ているのであれば、他社の手本になるよう積極的に制度内容や具体的なメリットや成果を開示してほしい。初調査時にも述べたことの繰り返しになるが、コーポレート・ガバナンス報告書への任意開示以外にも、CSR報告書やサステイナビリティ報告書の中でわかりやすく説明することも必要だと思われる。
東洋経済新報社のCSR調査においても、継続して相談役・顧問に関する情報を収集していきたいと考えている。今後も調査へのご協力をお願いしたい。なお、今回掲載した情報は取締役数も含め、すべて『CSR企業総覧(ESG編)』に収録されている。調査や研究の際にご利用いただきたい。
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