「パニック障害」10人に1人がかかる病の対処法 発達障害の人ほどパニック障害になりやすい

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パニック障害の診断基準においては、前述のパニック発作が繰り返し見られる状態をパニック障害と定めています。ある時点での患者数は人口の2~3%程度といわれています(生涯有病率はさらに高くなります)。パニック発作だけならば、10人に1人の割合で、一生に1度はパニック発作を起こすことが知られています。

なお、発達障害の人がパニック障害を起こす比率は非常に高く、発達障害のない人の倍だといわれています。また、うつ病とパニック障害を併存している例も非常に多く、パニック障害がうつ病の前駆症状として表れることもあります。その場合、パニック障害で病院にかかっているうちに、徐々にうつ病の症状が顕在化してくる、ということがしばしばみられています。

なぜパニック障害になるのか?

パニック障害に、先天的な要因がないわけではありません。遺伝的な素因が関与しているという報告がいくつもあります。しかし、原因らしいものがないのに発作を起こすこともありますし、ストレスがきっかけになることもあります。

さらに特定の物質や状態が、パニック発作を誘発することもあります。最も頻度が高い誘発物質は、コーヒーなどの中に含まれるカフェインです。その他、睡眠不足や過労が重なって、パニック発作が誘発されることがあります。アルコールもパニック発作の誘因になるので注意が必要です。

直接的な発症のきっかけについては、「悪条件が重なって」発症するというケースが多いようです。例えば、運悪く満員電車に閉じ込められて苦しくなった。動悸や息苦しさが強く出現したが、なかなか外に出られなかった。その後、そのときの経験を機に電車の中などにおいてパニック発作が起こるようになった、というケースです。

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