張本勲の「佐々木不登板批判」に募る強い違和感 投手に苦難強いる高校野球の日程も大問題だ
サッカー日本代表の長友佑都選手もダルビッシュ投手のツイートに「同意」とリツイートするなど、張本発言に対する反発が多方面で発生しているのだ。
3000本安打を誇る昭和の安打製造器、張本氏からすれば「当たり前のこと」を言ったつもりなのだろう。
しかし、今は「令和」である。
甲子園、高校野球における投手の登板過多を懸念する声は年々高まっている。
昨夏の金足農・吉田輝星投手も、県大会から甲子園の準決勝まで1人で投げ続けた。
しかし決勝の大阪桐蔭戦では、誰が見ても明らかな〝疲労〟によって打ち崩されて途中降板した。
テレビ観戦をしていたファンは、勝敗の行方もさることながら「吉田投手の肩」が気になって仕方がなかったはずだ。
酷暑の中に連投した投手のその後
「酷暑の中の連投で、将来のある投手が壊れたらどうするのか?」
これは〝懸念〟ではない。
因果関係は立証できないものの、甲子園で多投した投手とその後を見てみよう。
2013年の選抜大会で準優勝した済美の安楽智大投手は、決勝までの5試合で772球投げて、アメリカのメディアに「正気の沙汰ではない球数」と報じられた。安楽投手はその後楽天に入団したが5年目の現時点で通算わずか5勝だ。
また2010年に甲子園で春夏連覇を果たした興南・島袋洋奨投手は夏に783球を投げている。
大学を経てホークスに入団したが、プロ入り後は4年間で登板が2試合(勝敗なし)である。
早稲田実業の「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手は優勝まで948球を投げ抜いた。早大を経て日本ハムに入団したが、当時の球威はないと言われている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら