現代のAIが得意とする「5つの自動化」とは何か ビジネスで活用できる人がわかっていること

印刷
A
A

ただ、AIに何ができるのかがまったくわからない状態では、どのようなイシューを考えたらいいのかもわからないだろうと思います。現代のAIが得意なことを一言で表すなら、「判断の自動化」です。

もっと細かく分けると、「分類」「回帰」「クラスタリング」「推論」「探索」という5つの自動化が得意です。それぞれについて簡単に説明すると、次のようになります。

・「分類」── 過去のデータから学習し判別する
・「回帰」── 過去のデータから目的となる数値を導き出す
・「クラスタリング」── 似たもの同士を複数のグループに分ける
・「推論」── 与えられた問題についての答えを導き出す
・「探索」── 条件に合ったものを提示する

 

AIがブームになり、「すごい」ということがだいぶ喧伝されましたので、万能なAIをイメージする人も多いかもしれません。しかしAIにできるのは、あくまでも「部分的な自動化」にすぎないのです。つまり、AIを活用して競争力を高めたいビジネスパーソンにとって重要なのは、「ビジネスシーンの中でどの部分をAIで自動化すればいいのか」というイシューを見つけることです。

キュウリを9つの等級に選別するAI

たとえば、AIの研究者の間ではよく知られた事例ですが、2016年ごろに、静岡県でキュウリ栽培農家を営む元システム開発者が独力で、AIの中でも最も注目されている「深層学習(ディープランニング)」による画像認識を使って、自動キュウリ仕分け機を試作しました。

『稼ぐAI ――小さな会社でも今すぐ始められる「人工知能」導入の実践ステップ』(朝日新聞出版)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

実は、キュウリの仕分けは誰にでもできるものではありません。長さだけでなく、太さ、色艶などの質感、凹凸、キズがあるか、形のいびつさ、イボがあるかなど様々な要素で9段階に等級が決められており、この仕分けを行う作業は慣れた人にとっても、集中力が必要となる非常に負担の重い作業です。

このような仕分け作業を自動化することにより、本来の農家の仕事であるより美味しく満足のいく作物を栽培することに専念できるようになるというわけです。

みなさんも、AIを使って自動化できるところはないか、一度考えてみてはいかがでしょうか。解決したいイシューが定まれば、AIの利活用を具体化させたいと考えている専門家に相談にいくなどして、データサイエンティストと二人三脚で開発を進めていけばいいのです。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
ディズニー大転換「入園者数引き下げ」戦略の背景
ディズニー大転換「入園者数引き下げ」戦略の背景
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
ANAとJAL、燃油サーチャージ「空前の高値」の苦悩
ANAとJAL、燃油サーチャージ「空前の高値」の苦悩
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT