古都・鎌倉に若手起業家が続々移住するワケ 小泉今日子主演ドラマ成功の影にもブランド戦略

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世界文化遺産への再挑戦は当面先?

――「武家の古都・鎌倉」の世界文化遺産登録を目指しておられましたが、昨年末に登録を断念されました。今後も登録に向けての取り組みを継続されるのでしょうか。

世界文化遺産については、昨年5月に残念な結果(登録を断念)となりました。実のところ、市民の中には、世界文化遺産の登録に反対している人が半分ぐらいいました。そのほとんどが、「観光客誘致、商業活性化、名誉」、こういったものを市が欲しがっている、とみておられました。

世界遺産の登録を目指すのは、観光客から貴重な遺産を守るとか、開発から街を守るとか、そういうことが本来の目的です。これを市民のみなさんに、十分に認識してもらう必要があります。それをしっかりやらずに、ただ「登録していくんだ」と連呼しても、空回りになってしまいます。

世界遺産への国からの推薦は1年で1件だけです。次が群馬の「富岡製糸工場と絹産業遺産群」、その次は北九州と山口にある八幡製鉄所などの「明治日本の産業革命遺産」だと聞いています。

では、「鎌倉は北九州の次に入りたいか」、と問われると、「意識としてはそうは思っていない」との答えになります。もう少し後ぐらいに入っていけるように、万全の態勢をもって取り組んでいく方針です。

鎌倉は小さな街ですが、すがすがしい空気を感じてもらいながら、ゆったりと歩いて楽しんでいただきたい。ここのところ、街の景観に合わないお店や看板も出始めています。そういったこととも、闘っていかなければいけません。街の価値を高めることに、これからもこだわっていきます。

(撮影:鈴木紳平)

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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